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工学部改組により「水環境・土木工学科」を新設「水環境・土木工学科」を設置し、水関連人材の育成を開始した。同時に、大学院総合理工学研究科(修士課程)工学専攻に「水環境・土木工学分野」を、さらに2018年度からは総合医理工学研究科(博士課程)に「水環境・土木システム学」ユニットを設置した。タンザニア水環境改善プロジェクト(2018年〜)には博士課程大学院生が参画し活躍した。「行幸啓」天皇皇后両陛下(現:上皇上皇后両陛下)がCOIを視察天皇皇后両陛下(現:上皇上皇后両陛下)が信州大学を訪問するのは、1949(昭和24)年の開学以来初めて。遠藤研究リーダーよりCOIの研究について説明すると、両陛下は、ナノカーボン膜が通常の逆浸透膜に比べて表面にごみがつきにくいという説明に興味を示され、遠藤RLが「膜の電荷、化学的な力関係、表面の凹凸などが総合的に関与していると考えており、メカニズムを解明するべく研究を進めている」と説明した。拠点が目ざす将来像を立体的に表現したジオラマを作成し、AICS2階展示コーナーで一般公開を開始。ある砂漠地帯の半島の想像上の未来都市。安価でクリーンなエネルギー・太陽光発電と風力発電が供給する電力により、海水淡水化プラントやかん水処理施設から真水が生み出され、農業による食糧生産が可能となり、人々が生活する都市や住宅エリアが形成されている。2016年6月5日の天皇皇后両陛下(現:上皇上皇后両陛下)行幸啓を記念した植樹が11月14日、信州大学長野(工学)キャンパスで、濱田州博学長、中村宗一郎理事、半田志郎副学長、遠藤守信特別特任教授ら6人(役職は当時)により執り行われた。1949年に信州大学が開学してから初めてという行幸啓を次世代に語り継ぐとともに、両陛下が全国植樹祭でお手植えされた6種類の苗を独自に集めて植樹し、キャンパスの緑を再生するきっかけにしようという試み。開発したCNT/PA複合RO膜にタンパク質などの有機系の汚れがつきにくい特性が発現するメカニズムを解明。海水淡水化システムにおける透水性の劣化を抑制し、膜の洗浄等のメンテナンス作業が大幅に低減できるため、システム運用費の低コスト化に貢献できる。信大COI第5回シンポジウムが一橋講堂(東京都千代田区)において開催され、水・膜産業関係者ら約200名が出席した。初めての東京開催で、プロジェクト設置から5年間の研究成果を水・膜関係者に広く紹介した。成果報告、社会実装に向けたパネルディスカッションが行われ、並行して研究成果の詳細を報告・議論するポスターセッションを実施した。ベトナム社会主義共和国ホーチミン市訪問団がCOIの取り組みを視察。汚れに強く丈夫で透水性が高い信大開発膜によりコストダウンが可能という遠藤RLの話に高い関心が寄せられた。現在、ベトナムではセルロースナノファイバーを用いたCNF/PA複合RO膜の実証試験が行われている。70m長の連続製膜が可能な大型製膜装置を大学内に設置し、実証試験で使用するCNT/PA複合RO膜の製造を開始。その後、2019年には小型モジュール製造装置を導入し、製膜からモジュール製造までを大学内で一気通貫で行う「大学工場」を本格的に稼働した。タンザニアなど東アフリカで深刻化する地下水のフッ素汚染問題を解決し、だれもが安心・安全な飲料水を入手できる社会を目指したプロジェクトが始動。先鋭材料研究所、工学部、繊維学部の研究者らが過剰フッ素水源地域であるタンザニア・アルーシャで調査・研究に取り組む。現地の政府機関や大学などと共同研究を重ね、信大クリスタルを用いたフッ素吸着材、MOFと綿を用いた高感度センサーを開発。実用化に向けて現地での実証試験を行っている。04未来“水”社会を表現する「ジオラマ」が完成天皇皇后両陛下(現:上皇上皇后両陛下)行幸啓記念 タカトオコヒガンザクラなどを植樹サウジアラビア大使館文化アタッシェがCOI視察サウジアラビア王国大使館文化部の文化アタッシェ、カーリド・アルファラハン教授が信大COIを視察。同文化部はサウジアラビアからの留学生の支援や文化交流事業などを担当。新たな国家戦略の重点分野の一つ「海水淡水化」で信州大学を有力な留学生受け入れ先の一つと考え、今後のサポートを約束した。CNT/PA複合RO膜の耐ファウリング性メカニズムを解明飯綱合宿を実施「フューチャーセッション・製膜研究の戦略と方向性」と題し、基礎を構築した膜開発について、開発の現状と将来のあるべき姿を比較検討しながら討論を行う「飯綱合宿」を実施。研究メンバー29名が参加し、水問題の今後の取り組みや、膜開発・製膜研究の戦略や方向性について、集中的に議論した。拠点設置後初めての東京でのシンポジウムを開催ベトナムホーチミン市訪問団がCOIを視察製膜装置など「大学工場」本格稼働タンザニア水環境改善プロジェクトが始動201620172018

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