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※1.金教授は、量産化の壁になっていた、液状のナノファイバー素材を噴射するノズルの詰まりを、「ししおどし」の竹のようにノズルの先端を45度に切り、一部が常に流れ出る状態を作り出すことで解決しました。※2.中沢教授は、昆虫学者が発見したアオムシ由来の酵素「piggyBac(遺伝子転位酵素)」を用いた「CAR-T細胞療法(がん患者の免疫細胞を使いその機能を人工的に高め、がんへの攻撃力を強化した、新しいがん治療法)」の第一人者です。̶今日はお忙しい中、ありがとうございます。早速ですが、五十嵐さんが「エデュテイナー(理工系+エンターテインメント)」というユニークなコンセプトで活動されるようになったきっかけを教えてください。五十嵐さん(以下敬称略) 子供たちが育った環境に関係なく科学に触れてもらうきっかけを作りたいと思ったことですね。今は普通にサイエンスショーをやると、やはり科学に興味を持つ子供たちが集まりますが、かつて自分はそこまで科学に関心があって科学実験教室などに行ったかというと、そうではなかった…。ではどういう場所に行っていたかなと考えてみると、商業施設とかお祭りとかだったな、と。そんな私のように科学が目的でなかった人たちがいる場所で、どうやれば科学に興味を持っていただけるか、そのきっかけを作れるかを考えて、商業施設でのライブステージなどを始めました。 ただ、そこで普通に科学の実験をやってもなかなか立ち止まっていただけないんですよ。オリジナルな表現を加える必要性を感じて得意なダンスを組み合わせてみたところ、「科学には興味がなかったけど勉強になりました」と言ってくださる人が現れて…。エンターテインメントとの融合に手応えを感じました。最近はテレビに出させていただく機会も増え、ダンスをしながらバターを作る動画はツイッターでもおかげさまで250万回くらい再生されています(笑)。―それはスゴイ! 特に人気のコンテンツは何でしょう?五十嵐 やはりバターを作る動画ですね。生クリームをペットボトルに入れて、それを振るとタンパク質の膜がはがれて脂肪が固まりバターになるという実験があるのですが、10分くらい振らないとできないところをヒップホップダンスで激しくシェイクし、時短で作るというものです。“ダンシングバターシェイク”というんですが、来場者はまさか実験者が踊るとは夢にも思っていませんから、かなりビックリされますよ。 あと、“リモネン”を巨大風船に塗って割るという実験も人気コンテンツです。リモネンはレモンなど柑(文・中村 光宏)11橘類の皮を絞ると出てくる精油成分で、ゴムやプラスチックを溶解する性質があるんです。だから巨大風船に塗った部分が溶けて「パーン!」と割れる訳ですが、巨大風船はゴムが厚いので、いつ割れるかが分からない。もちろん私も分かりません。その怖さを共有してもらっています(笑)。マイケル・ジャクソンの『スリラー』に合わせて、ゾンビダンスをしつつ怖がりながらリモネンを風船に塗るという構成なんですが、皆さん盛り上がってくださいます。―そんな五十嵐さんにナビゲートいただいている本学の「信州のファーストペンギン」シリーズ。出演いただいて1年以上経ちますが、感想をお聞かせください。Science Edutainer Miki Igarashi赤いストライプが際立つオシャレな白衣の女性が、キレッキレのヒップホップダンスでペットボトルをシェイクしてバターを作る…なんとも衝撃的で面白い、そんな動画をテレビやインターネット、あるいはイベントのライブステージなどでご覧になった方も多いのではないでしょうか?その人気沸騰中の「科学のお姉さん」は五十嵐美樹さん。信州大学では一昨年から先端研究と研究者を紹介する動画コンテンツ「信州のファーストペンギン―夢を拓くイノベーターたち」のナビゲーターにもなっていただいています。今回はその五十嵐美樹さんにご登場いただき、出演の感想、科学とエンターテイメント、サイエンスショーの面白さなど語っていただきました。TVやYouTubeでブレイク中の科学のお姉さん!信州大学研究者紹介動画「信州のファーストペンギン」ナビゲーター五十嵐美樹さん

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