医学部医学科研究案内2022_日本語
7/48

正常マウスノックアウトマウス肝臓正常マウスノックアウトマウス腎臓日常参加者は自宅周辺でインターバル速歩を行い、月に一度地域公民館を訪れ携帯型カロリー計の歩行記録をサーバに転送する。そして、折り返し送られてくるトレンドグラフ〔右上〕にしたがってトレーナーなどから指導をうける。さらに最近、同システムのスマホ・アプリを開発した。運動時の体温調節能を測定する正常マウス(左)と、肥満モデルマウス(ob/obマウス)(右)正常マウスと、血管特異的RAMP2ノックアウトマウスの肝臓と腎臓母性Cas9ゲノム編集法と次世代ヒト疾患モデルプラットフォーム運動時の食道温、皮膚血流量、発汗速度を測定する運動は炎症促進遺伝子(NFkB1, NFkB2など)のメチル化をおこし、活性を抑制し、 生活習慣病を改善する運動効果発現に遺伝子修飾が関係している・疾患モデル動物や培養細胞を用いた病態解明、新規治療法開発・循環作動性ペプチドの血管発生、血管新生、癌転移における役割・クリスパー法による新規遺伝子改変マウスの樹立、解析・心臓、血管、肝臓の再生医療研究研究から広がる未来現代の医学をもってしても治せない病気があります。医学研究者の使命は、その原因を探り出し、新しい治療、診断法につなげることです。新規の遺伝子改変マウスを、自分たちの手で、しかも世界最速で作ることで、今まで不明だった遺伝子の働きを世界で初めて発見することも可能です。新しい生命現象を、自らの手で見つけることは、大きな感動や興奮をもたらしてくれます。当教室では、学生が積極的に学会発表を行い、これまでに多数の学会賞を受賞し、奨学金を得るなどの活躍しています。医学研究におけるグローバルなスキルを身につけることで、卒業後は、大学や企業の研究職に就き、リーダーシップを発揮しています。(教室HPを参照下さい。)・運動時の熱中症予防のための方策の提供・生活習慣病・介護予防と治療のための方策の提供・運動効果発現のエピジェネティックメカニズムの解明研究から広がる未来私たちは、「インターバル速歩トレーニング」を核に、IoTを利用して遠隔型個別運動処方システムを開発し、5ヶ月間の同トレーニング効果について遺伝子も含め数千人規模のDBを構築しました。今後、このDBをもとに被験者の属性から同トレーニング効果の未来予測式を開発し、同トレーニングの国の内外への普及をめざします。これによって医療体制の治療から予防へのスムーズな移行をめざします。運動生理学・応用生理学を専攻する基礎研究者、運動を核とした予防医療・リハビリテーション医学を専門とする研究者・医療従事者、健康機器・健康食品など健康サービス産業に関係する企業の研究者など信州大学では唯一、遺伝子改変マウスを作成する技術を有する教室です。ゲノム編集(クリスパー法)の新技術開発なども行っています。特に母性Cas9を利用したゲノム編集法を考案し、多数の遺伝子の同時改変による次世代ヒト疾患モデルの開発に取り組んでいます。癌、動脈硬化、心不全、糖尿病、腎不全、脳梗塞、肝硬変、肺線維症などの疾患を対象に、疾患と関連する遺伝子の研究から、創薬をめざしています。生体内の恒常性維持機構と、疾患発症のメカニズムを研究し、その成果の応用のため、現在までに創薬に関する複数の国際特許を取得しています。地球温暖化、超高齢社会の社会問題に際し、その打開策を社会に提供することを理念とします。人類はその誕生以来、その優れた二足歩行による運動能(移動能)、環境適応能(体温調節能)によって地球上に広く分布してきました。しかし、最近の食糧・医療事情の改善、さらにアメニティの充実は、これらの能力を劣化させる一方、アメニティ獲得のための資源エネルギーの増大は、資源の枯渇、地球温暖化を促進させるという悪循環に陥っています。そこで、人類が生来持っている遺伝形質を再活用してこの悪循環を断ち切るという立場から研究を行っています。5主な研究テーマ卒業後の未来像主な研究テーマ卒業後の未来像(チーフ:教授 新藤隆行)(教授 増木静江)循環病態学スポーツ医科学病気のメカニズム解明と治療法の開発オリジナルの遺伝子改変マウス作成から解析まで社会問題解決型の運動生理学をめざす!

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る