医学部医学科研究案内2022_日本語
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(Shibata K, et al. Cancer Chemother Pharmacol. 2021;87:555-65)頭頸部がん患者におけるセツキシマブ(抗EGFR抗体)のTDM患者情報の多面的評価に基づく薬物治療の適正化(Naito T. Biol Pharm Bull 2019;42:149-57)私たちは、お薬の有効性と安全性を最大限に高め、個々の患者さんに最良の薬物治療を実践するための臨床薬理学研究に取り組んでいます。様々な臨床試験を行い、国から承認されたお薬でも、多くの患者さんに使ってみた場合に、一部の患者さんで、お薬が効かない・効きすぎる、副作用が現れるといった問題を生じることがあります。医療現場の中でお薬を有効かつ安全に使用していくためには、研究活動によって、お薬による効果や副作用が現れる原因を明らかにしながら、お薬に情報を加え、お薬を育てていく必要があります。私たちは、そのような医療現場におけるお薬の患者間での効果や副作用の違いに関する課題に取り組むことによって、合理的な薬物治療法の構築を目指しています。40・生体試料中薬物濃度の高感度迅速定量法の開発・ヒトにおける医薬品の効果・副作用の個人差の解明・がん・疼痛・感染症等の疾患や周産期における合理的薬物治療の構築・非実験的手法を用いた医薬品の副作用や薬物間相互作用の検出研究から広がる未来患者さんにおける医薬品の効果・副作用の個人差要因が明らかになります。これらの情報から、合理的な医薬品の投与計画法の提案が可能になり、安心・安全な薬物療法の実現につながります。卒業後の未来像当教室で学んだ多くの大学院生は、学位取得後に薬剤師または薬学研究者・教育者として活躍しています。また、製薬企業における創薬研究や医薬品開発に携わる職を目指すこともできます。主な研究テーマ臨床薬理学(教授 内藤隆文)合理的な薬物治療を提供するための医薬品情報を創出する

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