医学部医学科研究案内2022_日本語
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免疫細胞とがん細胞教室員の論文から引用(cell 162, 1229, 2015)日本血液学会関東甲信越地方会を主催顕微鏡カンファレンス風景海外の血液学会での発表血液・唾液および組織検体を用いた抗腫瘍効果および予後予測因子の解析。肺がん治療における多施設共同臨床研究。原発不明がん、希少がん、難治がんに対するがんゲノム医療を用いた治療法の探索。がん登録情報を用いた疫学研究の推進とがん対策への提言を目的とした解析・分析。研究から広がる未来基礎実験であれ患者対象とした臨床研究でも、がん領域には幾多の難解で、解決すべきことが山済みです。またがん治療における標準治療は時代とともに変化しています。その標準治療の変化や新たな確立、また全く新しい治療法の開発に貢献できる人材になれます。多施設共同研究を通じて人脈も形成できます。大学で、がん治療専門医として診療や研究を継続することもできますし、一般の病院でもがん治療の専門医や指導医として一活躍もできます。また、一般病院にいても大学を含めた多施設共同の臨床研究を継続することはできます。・難治性血液腫瘍に対する同種造血幹細胞移植方法の開発・NK細胞・T細胞腫瘍の病態解析と治療方法の開発・顆粒リンパ球増多症と赤芽球癆の臨床研究および病態解析研究から広がる未来血液疾患の病因病態学的背景が解明されることが、診断ならびに治療方法の改善につながっていく。目の前の症例を丁寧に観察し、その病因と病態を紐解くことで、病気の見え方ががらりと変わりうる。そのダイナミズムを感じ取りながら、日々の研究と診療に携わることができるのは、血液内科ならではの醍醐味であろう。・海外の研究施設との共同研究等を通じて世界へ情報発信する研究者・臨床医の育成・リサーチマインドを備えた臨床血液専門医の育成腫瘍内科は、がん薬物療法に関する診療、研究をしています。がん治療は分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤の登場により著しく進歩しています。標準的治療を学び実践し患者に提供することと同時に、基礎研究や臨床研究を通じて新たな治療法の開発にも探求心を持ち続ける人材が求められます。がんゲノム医療の推進の役割も担っています。若い皆さんの参加を求めています。血液疾患は、腫瘍性・非腫瘍性に関わらず、その多くが難治性であり、発症機序の解明と治療方法の開発は急務の課題である。例えばアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)は、生存期間中央値が3ヶ月以内と極めて予後が不良な悪性腫瘍である。当科ではこれまで県内の血液内科と連携してANKLに対して同種造血幹細胞移植を進めてきた。近年フィンランド、台湾、韓国との共同研究においてANKLの遺伝学的発症機序の解明に貢献した。また、赤芽球癆や先天性免疫不全症などの非腫瘍性疾患においても、その背景にあるT細胞異常の解析を通じて、その発症機序や治療方法についての検討を続けている。39主な研究テーマ卒業後の未来像主な研究テーマ卒業後の未来像(教授 小泉知展)(教授 小泉知展)(講師 中澤英之)(講師 中澤英之)腫瘍内科腫瘍内科血液内科血液内科血液・腫瘍内科学血液・腫瘍内科学最適ながん治療の提供と先進医療・研究を推進する医師を目指そう!血液内科のダイナミズムを体感しよう

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