2022信大環境報告書
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地域社会への貢献についての取り組み昨年の同講座は、新型コロナウイルス感染症対策のためオンラインで実施しており、今年こそは対面で実施したいという思いで準備しました。幸い講演会の直前に感染症の状況が好転し、AICS2階 セミナースペースに講師の加藤先生をお招きして、一部対面で実施することができました。とはいえ、人数制限を全くしないというわけにはいかず、会場での聴講は学内教職員に限定し、一般市民の方と学生の皆さんにはオンラインでの参加をお願いすることになってしまったのは残念でした。来年こそは、完全対面で実施できることを祈っています。講演では、今まさにタイムリーなカーボンニュートラルをキーワードに、世界的なエネルギー利用の現状と展望についてわかりやすくご説明いただきました。ゼロカーボンを目指すという観点から、能動的炭素循環システム(ACRES:Active Carbon Recycling Energy System)をご紹介いただいた他、地域社会への貢献についての取り組み長野県と信州大学医学部附属病院は、令和2年度に文部科学省に採択された感染症医療人材養成事業及び多用途型トリアージスペース整備事業の補正予算を財源に「長野県医療教育研修センター」を設置し、8月30日に開所の記者会見を行いました。長野県と信州大学の包括協定に基づき、新型コロナウイルス感染症への対応も含め将来にわたっての長野県全域の感染症医療人材養成拠点とし、感染症分野に精通した医師、スタッフの養成、学生の教育を目指すものです。県内病院、県内施設向けのe-Learning教材の作成と配信、重症患者対応を行う医療関係者に向けたECMOや人工呼吸器の研修、医療政策講演会や協議会を行ってまいります。本センターは病院に隣接する長野県旭町庁舎内に設置され、医療教育に必要な最新のハイブリッドシミュレーター、研修記録機・学習システム機材を揃え、実践的な知識や技術2021年10月28日に「カーボンニュートラル社会が必要とする炭素の流れとは」というタイトルで東京工業大学 科学技術創生研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所 副所長 の 加藤之貴教授にご講演いただきました。長野県医療教育研修センター自然エネルギー・水素エネルギー・原子力のそれぞれの長所・短所についても整理して説明していただきました。一般・学生・教職員合せて130名程度の参加があり、講演後の質疑でもたくさんの質問があり非常に活気がありました。参加した学生からは、「炭素を循環させてCO2を資源化するというのは、私にとっては想像したことのない方法で驚きだった。」「技術力のある日本にしかできないことを日本にいて技術を学んでいる私達が担う時代になりつつある事を忘れてはいけないと思った。」などの感想が書かれており、学習意欲を高める意味でもよい刺激をいただいたと感じました。無事にこの講座を開催できたのは、準備・運営にご尽力いただいた皆様のおかげです。この場を借りて深く感謝申し上げます。の習得を行うことができます。新たに建設した多用途型トリアージスペースも活用し、通常時にはシミュレーションルームと臨床研究に使用し、感染症蔓延時など災害時には診察・処置などのトリアージを展開する設計となります。開所式当日は、長野県知事から、感染症対応を行う人材の確保と養成を期待する旨の挨拶をいただき、また、濱田前学長から、大学として長野県全体の感染症医療の基盤強化につなげたいこと、川真田病院長から、治療だけでなく予防も含め、医療者と医学生の人材養成に努めていくことが述べられました。講演会場の様子研修センターの概要について説明する川真田病院長講師の様子330404工学部環境委員会第26回 市民公開講座開催「長野県医療教育研修センター」を設置しました

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