2022信大環境報告書
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環境への取り組み環境科学信州大学の全ての学生は、共通教育科目の教養系「環境科学」から、必ず1科目(2単位)以上を履修します。環境科学は、次の内容から構成されています。「熱帯雨林と社会」「自然環境と文化」「環境文学のすすめ」・環境エネルギー政策論・環境法入門・再生可能エネルギー概論・環境のためのナノカーボン、エネルギー材料、水処理・緑と水の保全学・農山村と環境・森林サイエンス・環境と材料科学&生物科学・動物と人間社会・環境保全論入門・生物と環境・熱帯雨林と社会・環境社会学入門・環境マインド実践基礎論・自然環境と文化・ネイチャーライティングのすすめ・環境文学のすすめ・エコ水車の開発と地域バイオマス利用・ライフサイクルアセスメント入門・自然環境行政概論・土壌学ゼミ・環境マネジメント入門ゼミ・環境マインド実践ゼミⅠ・環境マインド実践ゼミⅡ・生態資源論ゼミ・アジア開発環境論ゼミ・生物多様性保全ゼミ・環境心理学ゼミ・Low Energy Building(省エネルギー住宅)ゼミ・環境リーダーシップ入門ゼミ・ドイツのエネルギー転換をドイツ語で読むゼミ【ねらい】 日本人は、今や自分の身体を支える物質的条件を国際的な関係に依存しています。しかし、私たちの関心や理解はモノの移動の大きさに比べて、十分な広がりをもちえているでしょうか。"Think Globally, Act Locally"という標語がありますが、グローバルにいったい何を考え、ローカルにいったい何をしたらいいのでしょうか。 本講では、現地からのフィールド報告を交え、そうした問いについて具体的に考えることをねらいとします。【概要】 熱帯産のさまざまなモノを切り口として、熱帯雨林の自然と人間の暮らしについて理解を深めます。主な事例を東マレーシア、サラワク州(ボルネオ島)のバラム河流域からとり上げます。授業計画の前半では、サゴヤシ、陸稲、沈香などの生態資源を例に、熱帯雨林に暮らす狩猟採集民の生活や生業の様式を概観し、彼らの食糧の確保、資源やエネルギーの利用にみられる諸特徴を理解します。後半は、木材、パーム油、バナナ、エビ、コーヒーなどの一次産品を例に、社会経済的なグローバル化をめぐる問題群について考えます。 この講義を通じて、東南アジアの熱帯雨林と私たちとの関係や両者が抱える現代的課題を追究しながら、他人や地球をできるだけ傷つけない社会への手がかりや可能性を探っていきます。【ねらい】 人類学的な観点から地球環境における人類の活動をとらえ、自然環境と文化の関わりの可能性と課題について考えます。文化の基本的な項目について、世界の様々な事例を知ることを通じて、自然環境と密接に関わっている人々の生き方と、自らの生き方を比較し、それぞれについて考える力、信州大学が推進している「環境マインド」を養うことが本授業のねらいです。【概要】 人類学的な知見にもとづいて、食文化、病と癒し、死と儀礼、音楽・舞踊、装いといった項目について自然環境と密接に関わりながら生きている人々の文化を紹介します。また同じ項目について、私たちの文化の現状についても紹介し、今後の私たちの生き方、自然との望ましい関わり方について考えます。【ねらい】 本講義は、本学の教育目標の一つ「環境マインドをもつ人材の育成」を目指すものである。「環境」という対象を文化の側面からとらえることにより、自然科学的な視点だけではなく、自分の「こころの問題」として自然や環境をとらえる豊かな感性としての「環境マインド」を受講学生が持つことが本講義のねらいである。【概要】 自然や環境について語る際、自然科学的なデータや社会現象については情報があふれかえっているが、「こころの問題」として、つまり自分との関係で語ることはあまり多くないように思う。本講義で受講学生は、まず、授業で扱う「環境文学」という文学ジャンルの作品を主観・客観を織り交ぜながら読む。そして講義で示される観点を踏まえて、作者が自然や環境との関係をどのように書いたのか、ということを深く考えることにより、自然や環境に対して自分ならではのアプローチを模索していく。環境科学は、人間とそれをとりまく自然的、物理的、化学的環境との相互作用を扱い、その関係を持続的に維持するための方法論の体系です。信州大学では、単に理論だけでなく、全学を挙げてエコキャンパスを構築し、その継続的改善という実践を通じて「環境マインドをもつ人材の養成」に力を入れてきました。「環境マインド」とは、人と自然を愛する心の豊かさを志向しつつ、現代社会が直面する環境問題を科学的に理解し、問題解決に向けて行動する精神のことです。授業科目2-1 環境教育環境マインドの醸成授業のねらい・概要2302

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