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ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報Integrated Report 2022 Shinshu UniversityFUNCTION長野県と本院は、令和2年度文部科学省感染症医療人材養成事業及び多用途型トリアージスペース整備事業の補正予算を財源に、「長野県医療教育研修センター」を設置しました。学生教育や新型コロナウイルス感染症への対応も含めた、感染症分野に精通した医師・メディカルスタッフの養成を掲げ、将来にわたる長野県全域の感染症医療人材養成拠点の構築を目指します。さまざまな拠点病院として、診療情報を共有する信州メディカルネット等を活用し、県内の医療機関と連携しながら地域全体で住民の健康を支えています。SYSTEM25本院では、大学病院の重要な役割の一つとして、県内の医療機関へ専門性の高い医師を継続的に派遣し、地域の医療を安定的に維持することに努めています。地域住民に「顔が見える医師」となることができるよう、年間平均約700名程度の医師を常勤医として派遣しています。また、2011年から開始した信州メディカルネット事業では、患者さんの同意のもと、診療情報を複数の医療機関で共有することで、受診する医療機関が変わっても適切な治療を患者さんへ提供できるようにしました。長野県全域の感染症医療人材養成拠点長野県医療教育研修センター信州大学を幹事機関とした産学官共創の「スマート在宅治療」プロジェクト(※)を実施しています。住む場所による医療格差を無くし、患者や家族、医療従事者がライフデザインを描ける社会の実現を目指します。長野県大北地域でのビジョン対話やニーズ調査を基に、医療資源が少ない地域と専門医療がつながる、住民一人一人が自立した生活を送りながら医療サービスを受けられる地域医療の仕組みづくりと、遠隔診療・治療・リハビリ・見守りなどのICT技術及び医療機器等の研究開発体制の整備を進めています。(※)2021年度に国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(地域共創分野・育成型)」に採択家で治療がうけられ、治療しながら外出、仕事もできる「スマート在宅治療」プロジェクト場所の制限を受けない「遠隔診療・治療・リハビリ・見守り」の新システムを産学官民の共創で目指すこれまでは、病気や怪我を治療するには病院に通うか入院するしかありませんでした。中山間地が多い長野県では、地域によって病院が偏在し、地理的に距離が離れているなど、住む場所によって医療へのアクセスに制限を受けます。また、入院や通院は、医療費の負担だけではなく、身体状態の管理や、日々の介助が必要になるなど患者や家族の生活や仕事へ影響を与えています。この地方ならではの課題に対し、誰もが安心して自立した生活を送れるよう、在宅医療の充実や持続的な医療提供体制づくりに貢献します。患者と家族、地域の診療所や病院、介護福祉施設のスタッフとの対話・ワークショップを重ね、地域医療・介護等を支えるICT技術や、在宅医療デバイス、遠隔モニタリングシステムなどの研究開発の具体化を進めています。未来の医療を話し合うワークショップ中山間地域の医療DXを検証地域における大学病院医師派遣、ICTを用いた地域医療ネットワーク信州の未来の地域医療をつくる産学官共創研究プロジェクト地域医療・先進医療活動実績信州の未来の健康と長寿社会を支える地域医療と先進医療の要、信州大学医学部附属病院の高度な診療・医師教育・研究活動や医工連携の一例を紹介します。02

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