INTEGRATED_REPORT_2022_web
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件件件件24Shinshu UniversityIntegrated Report 2022DATATOPICS難治がんである悪性黒色腫に対して、遺伝子組み換えウイルスを用いたウイルス療法の開発を進めています。ウイルス療法は、がん細胞特異的な複製を可能にしたウイルスを感信州大学医学部染させてがんを破壊します。免疫賦活作用を皮膚科学教室教授付加した最奥山 隆平新のがん治療用ウイルスを、ヒトに対して世界で初めて投与しており、優れた効果が期待されています。大学病院には大きく分けて診療・教育研修・研究の3つの役割があります。また、先進医療の推進という大きな目的のほか患者さんと向き合う日々の診療を、重要な任務として遂行しています。それらを通じて、長野県の地域医療の最後の砦として、高度医療の提供に努めています。救急医療の面では、高度救命救急センターが中心となってドクターヘリを活用して地域医療の守りを固めています。これらを通じて本院は長野県の医療を支え、地域住民の健康と長寿社会を支えていきます。信州ドクターヘリ松本は2011年に運航開始。2022年3月までで出動回数が累計4,600回を超えています。信大搬送数:Integrated Report 2022 Shinshu University信州ドクターヘリ松本出動件数(2021年度)出動件数:CT検査件数2021年度:放射線治療件数2021年度:手術件数(2021年度)臨床検査件数2021年度:がん治療には抗がん剤による化学療法、外科的治療、放射線療法を組み合わせた集学的治療が行われるのが一般的ですが、化学療法に抵抗を示した再発・進行例の予後不良は少なくありません。現在、医学部小児医学教室では婦人科悪性腫瘍等を対象に、皮膚科学教室では悪性黒色腫を対象に次世代の治療法を開発しています。2つの新しいがん治療法は、既に研究データの取得と検証が繰り返されたのち、本院及び厚生労働省の許可を受け、医師が主導して行う臨床現場での治験で安全性と有効性の評価が始まっています。(※)婦人科悪性腫瘍は子宮、卵巣、外陰、膣などに発生する腫瘍の総称。信州大学医学部小児医学教室教授中沢 洋三治療薬よりもはるかに強く、最も有望な次世代がん治療法の1つとして期待されています。CAR-T細胞を製造する様子がん治療用ウイルスを投与する様子長野県の地域医療を支え、健康長寿の社会を支える信州大学医学部附属病院の使命がん治療の最前線で開発が進む先進的ながん治療法HER2陽性の再発・進行骨・軟部肉腫と婦人科悪性腫瘍(※)を対象とする非ウイルス遺伝子改変HER2 CAR-T細胞の医師主導治験を開始がん患者の血液を採取し、体外でCAR-T細胞を作製。その後その細胞を患者の体内に戻すという画期的な遺伝子治療法がCAR-Tです。患者の体内でがん細胞に出合ったCAR-T細胞は、がん細胞に対し殺細胞機能を発揮します。その抗腫瘍効果は従来のがん悪性黒色腫に対する世界最先端のウイルス療法の医師主導治験が進行中10,6597,263件4,517,852地域医療・高度先進医療の要、信州大学医学部附属病院信州大学医学部附属病院は、高度な診療・医師の教育研修・研究活動という3点に注力しています。375件16927,410

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