INTEGRATED_REPORT_2022_web
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081117ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報8北米9中南米(件)250Integrated Report 2022 Shinshu University同国レマンダ村にフッ素を除去する吸着材を搭載した50世帯規模の水処理システムを設置し、水供給試験を行うとともに、フッ素センサーデバイス、太陽光を用いた電解オゾン水発生デバイス等を実証し発展途上国での安全な水供給を実現します。本研究はダルエスサラーム大学、ネルソンマンデラアフリカ科学技術大学、タンザニア水省フッ素除去研究所等の国際的な共同研究で取り組みます。水供給システムを安定的に運転するための教育等も実施し、水の供給を持続的なものとします。TOPICS23200150100502014201520162017ラム実施例の拡大と各部局の取組の共有、ICT機器の貸出等による教育環境整備に取り組んでいます。これまでに、信州大学グローバル化推進センターがマレーシアやロシアの大学とSDGs、観光、地域文化をテーマにプログラムを開発、各学部でも好事例が蓄積されつつあります。受講した学生からは語学力の向上や知的好奇心の刺激・異文化理解に関しての自己効力感が高まった等の声が寄せられています。(※1)Collaborative Online International Learning:   海外大学の教員や学生とのオンラインを活用した協働学習(※2)Faculty Development:教員が授業内容・方法を改善し、向上させるための組織的な取組繊維系7大学グローバルパートナーシップ協定◎信州大学繊維学部 ❶ノースカロライナ州立大学(アメリカ)❷香港理工大学(香港)❸マンチェスター大学(イギリス)❹リーズ大学(イギリス)❺福井大学❻京都工芸繊維大学大学院3機関協力協定◎信州大学農学部❶長野県林務部❷オーストリア連邦森林・自然災害・ 景観研究研修センター6機関協力協定◎信州大学繊維学部❶崇實大学校(韓国)❷韓国生産技術研究所(韓国)❸東華大学現代紡績研(中国)❹東華大学材料科学工学部(中国)❺中国紡織科学研究院(中国)大学間協定学部間協定2018201920202021合計2022人類が利用可能な淡水源は、約14万km³(全体の0.01%)に過ぎず、地球上全体の水の97.47%を占める海水を淡水化すべく、様々な取組が進められてきました。従来は蒸留法が多用されていましたが、現在はエネルギー消費がより少ない逆浸透膜法が主流となっています。本拠点を率いる遠藤守信特別栄誉教授の研究チームは、牽引してきたナノカーボン技術を用いて、カーボンナノチューブ/PA逆浸透膜を新たに開発し、基本特性(透水性、ロバスト性)の大幅な向上による造水コスト低減とメンテナンス性向上を実現しました。また物理的渇水地域であるサウジアラビアが設立した、世界最大の海水淡水化公社SWCC(Saline Water Conversion Corporation)との連携により、水温、濁質、塩濃度などあらゆる点で過酷を極めるアラビア湾実海水で実証検証を進めています。タンザニアに設置予定の浄水装置左:SWCCのHPからの写真右:大学内の製膜装置と膜モジュール開発した膜を更に改良し、水問題に深刻な中国・東南アジア等にも展開している。国際学術交流協定数アメリカ合衆国メキシコ1751591441298796797569727059エクアドルブラジル20420120820910910811512095939389サテライトオフィスパラナ連邦工科大学(ブラジル)21211993カーボンナノチューブ/ポリアミド(PA)逆浸透膜によるサウジアラビアの海水淡水化東アフリカ タンザニアでのフッ素汚染浄化プロジェクト信州大学先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所長 手嶋勝弥教授が率いる研究チームは、飲用水の過剰フッ素問題が顕在化したタンザニアで安全な水供給装置を実証します。研究のグローバル展開革新的材料技術を用いて世界の水問題の解決を目指す世界保健機関(WHO)の報告では、7億8,500万人が、“基本的な水供給サービスを未享受”とされており、2050年に世界人口が98億人を超えると予想される中、水需要の大幅な増大が、水の危機に拍車をかけると懸念されています。信州大学アクア・イノベーション拠点は、多様な水源から生活用水を造り出し循環させることで、地球上の誰もが十分な水と共に安全で健康的な生活を送れる水循環社会の実現をビジョンにして、研究開発を進めてきました。本拠点は科学技術振興機構(JST)によるセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムの拠点の1つで、COIプログラム令和4年度加速支援にも採択されました。開発したカーボンナノチューブ/PA逆浸透膜や無機結晶吸着材料などを世界の物理的・経済的な渇水地域で実証検証中です。産学官金連携活動実績グローバル02

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