INTEGRATED_REPORT_2022_web
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ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報Integrated Report 2022 Shinshu UniversityPROGRAMTOPICS 1127126139836521オンライン・オンサイト…ハイブリッドスタイルでこれからも多彩に研究シーズをプレゼンテーション信州大学では、地域社会の発展に貢献するため、産学官金連携や人材育成を軸とした幅広い取組を行っています。そのひとつ「信州大学見本市」は、2013年から年1回実施している研究シーズ展です(※)。本学のシーズを企業、自治体、一般の方に広くアピールし、連携のきっかけをつくることで研究の進展と成果の実用化を促進してきました。2021年の信州大学見本市は、新型コロナウイルス感染症拡20172018201920202021(年度)特許を持つ研究シーズ偶然の発見から生まれた分解性プラスチックプラスチックによる海洋汚染が深刻化し、2050年には魚よりプラスチックごみの方が多くなるという試算すら報道されています。地球環境再生のため、リサイクルによる資源循環が可能なプラスチックや、自然環境で分解し浄化されるプラスチックの開発が急務です。学術研究院(繊維学系)の髙坂 泰弘准教授は、これらの要請に応えるプラスチックを相次いで開発しました。プラスチック生産量の大半を占めるビニル系プラスチックは、分解・再合成によるケミカル(化学)リサイクルが困難とされています。髙坂准教授は、ビニル系プラスチックの構造を分子レベルで見直し、その恒常的な物質循環に世界で初めて成功しました。また、アンモニアと反応し、自然に分解するポリエステルを開発しました。これらは、プラスチックの高機能化を図る実験で、試料が思いがけず分解した偶然から発見されました。専門家も予想しなかった、まさにエポックメイキングな発明です。これらの技術は合計12件の特許として出願され、関連する産学連携研究もスタートしています。新たな分解性プラスチックの社会実装に、多くの業界から期待が集まっています。大防止のためオンラインでの開催となりましたが、約300名の方に参加申込をいただき、来場者・出展者アンケートでは、来場者から、移動時間や開催日の時間拘束が無くなるメリットや気軽にアクセスできるメリット等は大きいとの回答が寄せられました。出展者からは、共同研究等に繋がった例も報告されています。また、信州大学の研究を知っていただくことを目的に、学部ごとに研究紹介冊子を作成し、ウェブサイト上で公開する等、様々な形で大学の研究シーズとステークホルダーの皆さまとが出会える場を生み出す取組を進めています。「信州大学見本市2021」はオンラインで開催ウェブサイト上で展示した、研究シーズを簡潔に分かりやすく紹介した動画は来場者の皆さまに好評をいただきました。対面式への期待も根強くあるため、今後は状況に応じた開催方法で、シーズ・ニーズのマッチングに繋がる工夫を図っていきます。TOPICS 2(※)2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け中止各学部の研究紹介はこちらからご覧いただけます。アスピリン本学の研究シーズとステークホルダーの皆さまとが出会える場の足掛かりとして、本研究紹介冊子を活用いただければと思います。各学部の研究内容を簡潔にまとめているため、技術的課題の解決、製品開発のアイデア提供等、皆さまのニーズに応えられる教員が見つかるかもしれません。特許権実施等件数(381件)特許権収入(29,305千円)国公私立大学(短期大学を含む)、国公私立高等専門学校、大学共同利用機関(全1,059機関)が対象の調査より(文部科学省 2022年2月1日発表)特許取得数(件数)1501209060300特許権デジタルカタログでの研究シーズ紹介CH₃CH₃OOOOHOHOOO産学官・社会連携プラスチックOO■■CH₂CH₂OOOO循環可能活動実績研究シーズ×企業ニーズが出会う「信州大学見本市」新規事業・産業創出の出会いの場、産学官金連携を加速させ、地域社会と産業の発展に貢献しています。12位25位02

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