INTEGRATED_REPORT_2022_web
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Integrated Report 2022 Shinshu Universityリサーチ・フェローの取組成果短期間で会社が変わった実感はまだ持てませんが、ベンチャー企業はスピード感が大切なのに対し、立ち上げ時はどうしても社長に業務が集中し、社長の負担が大きくなってスピードが落ちがちです。多少なりとも社長の負担を軽減し、事業への集中に向けた取組を私が手助けできているのではないかと思っています。近い将来の未来ビジョン・展望株式会社化するにあたり、中長期的な財務計画・戦略策定を整理。大事にしてきたものづくりの魂をお客様と共有し、ものづくりの改善提案ができる企業へ。また自然豊かな安曇野で最先端の技術を使ったものづくりをしている価値の創造や新製品のマーケティングとWebの活用などを掲げました。同社はSONYやVAIOの生産を管理する仕事に長年携わった社長と、当時の仲間が集まってできた組織のため、精密機械の生産と品質管理に関する強いこだわりを持っています。今後製品の販売を通じて、お客様とものづくりへの共感を持つことで、単に装置を販売する会社でなく、取引先から『ものづくりの改善提案を期待されるような会社』になれると感じています。20Shinshu UniversityIntegrated Report 2022PROGRAMリサーチ・フェローのミッション企業戦略(事業戦略・資本戦略・財務戦略等)の策定と実行、特に財務面の強化は経営安定化に向けた喫緊の課題を解決します。地域企業と都市圏人材を大学の研究と学びで繋ぐ「信州100年企業創出プログラム」は、首都圏などで高度な専門性を持って活躍している人材を、信州大学の「リサーチ・フェロー(客員研究員)」として受け入れ、県内の受入企業の課題解決と持続的成長のためのシナリオ作成に挑戦する取組です。社会ニーズの変化を先取りした次代の長野県を牽引する企業を「100年企業」と定義し短期的には経営課題の解決、長期的には社会変化や産業構造変化への「未来シナリオ」を考え、適応力とイノベーションを起こし続ける企業・人材を創出することが狙いです。リサーチ・フェローの声『信州100年企業創出プログラム』が第11回イノベーションネットアワード2022の優秀賞を受賞本アワードは、地域特性に応じて実践された多様な地域産業支援プログラムの中で、優れた取組を積極的に評価し、表彰することによって、さらなる地域産業振興・活性化を目指すものです。本プログラムは丁寧なマッチングシステムと大学でのリカレント学習が人材の採用・定着の意思決定に重要な役割を果たし、プログラム終了後も県内地域企業や地域への人材の定着率が80〜90%を達成している点が評価され、このたびの優秀賞受賞に至りました。2018年度に経済産業省中小企業庁のモデル事業としてスタートし、プログラムや運営体制を進化させながら今年度5年目を迎えました。客員研究員は企業で実践的な課題解決と大学でのリカレント学習を行うことで、自身の能力を向上させながら、企業や地域の成長シナリオを作成します。また、毎年度プログラム終了後は、80%近くの客員研究員が当該企業や地域に定着しています。その実績が注目され、石川県・金沢大学や富山県・富山大学など他地域にもこの産学連携の新スキームが横展開されています。各省庁へ地方創生事業のモデル事例として報告2020年10月23日内閣府第15回経済財政諮門会議(都会から地方への経営人材の移動に向けて就労と一体となったキャリアアップ支援が必要とし、事例として報告)/2020年12月9日文部科学省第4期中期目標期間における国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会(長野県阿部知事が、信州大学の特色ある取組・地域への貢献のひとつとして、地域課題を解決し、地域に根差す人材の育成事例として報告)左:受入企業 株式会社ウイングビジョン代表取締役河原盛人氏、右:リサーチ・フェロー(客員研究員) 陶山俊輔氏信州大学での学び・研究のイメージとマッチング事例未来のシナリオ大学によるリカレント学習を活用した地方創生「信州100年企業創出プログラム」首都圏などで活躍する高度専門性を持った人材を信州大学が受け入れ、県内企業の課題解決と持続的成長を図る話題のプログラム。今年度で5年目を迎えました。

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