保健学科 研究紹介2022
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明治学院大学社会福祉学科卒業。聖路加看護大学大学院修士課程修了。東京医科歯科大学大学院博士後期課程修了(看護学博士)。東京女子医科大学、名古屋大学を経て、2015年に着任。静岡県清水市(現静岡市)出身。清水東高校、信州大学医学部卒業。Harvard大学Boston小児病院に留学。循環器内科学の基礎、臨床、疫学研究を経験。教育と研究による地域貢献を目指す。 加齢とともに病気・障害のみでなく、日常生活において自分のことが自分でできなくなって支援を必要とする「要介護状態」になる人が増えます。高齢者が安心して安全・自立的に生活をしていくために、医療・看護のみでなく、保健・福祉・行政・地域住民などとの協働・連携によるサービス支援が必要となります。 現在、とりくんでいる研究テーマは、高齢者福祉施設スタッフや大学生を対象として、支援・サービスに必要となるチームワークのあり方を探求しています。また、深刻な問題となっている高齢者施設スタッフの離職要因や、感情労働からみた高齢者ケアスタッフの対人関係の課題などを明らかにしています。 信州大学医学部循環器内科から保健学科に着任後、北安曇郡松川村および東筑摩郡麻績村と信州大学医学部との地域連携活動を推進し、地域保健における健康課題の解決を目指しています。「医科歯科連携による先進予防医療研究会・松本(D-CAMP・松本)」に参画し、松本市の歯周病検診データを解析して歯科口腔疾患と全身疾患との関連を明らかとするなど、大規模データの活用に取り組んでいます。  家族を対象とした生活習慣病予防のための取り組みを、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士と看護学生によりオンラインで実践し、専門職連携によるテレヘルスプロモーションを推進しています。ウィズコロナ時代の先進的な予防医療を目指しています。デイサービスでの実習の振り返りの様子。協同学習によって、チームワークの重要性や、それに必要な態度・技術などを養う看護師対象の『認知症看護対応力向上研修』(日本老年看護学会主催)の様子。急性期医療を受ける認知症の人の認知機能を悪化させないよう、適切に対応できる看護師の育成が課題となっている生活習慣病リモート予防外来 2022年3月 看護学生とスタッフ一同理学療法士によるリモート運動指導 (テレリハビリテーション)管理栄養士によるリモート 栄養指導―10―會田 信子 教授伊澤 淳 教授研究から広がる未来 高齢者ケアの現場は、認知症の人への対応の難しさから「キツい・危険」などと認識されているかもしれません。現場スタッフが協力し合いながら自信と誇りをもって働ければ、ケアの質が高まり、ケアを受ける高齢者もハッピーになり、さらに高齢者ケアの社会的価値も高まるはずです。世界に誇れる高齢者ケアの具現化に寄与していけるよう、一緒に老年看護学を学びましょう。卒業後の未来像 相手の苦悩に寄り添える人間力と問題の本質を追求していける探究心、チームで問題を解決していける行動力をもった看護職者が社会から求められています。専門知識のみでなく、幅広い教養を身につけ、他者と関わることの意義を見いだしていってほしいです。研究から広がる未来 長寿である一方、1人当たりの医療費が低い長野県は、超高齢社会となった我が国の近未来モデルです。長野県内で収集されている保健医療のデータを解析し、健康課題を明らかとして、近未来の地域保健に貢献するような研究を目指しています。疾患の発症や再発の予防、発症後慢性期の健康維持に関する効果的な取り組みが明らかになると、病気を経験しても健康長寿が達成される未来が期待されます。卒業後の未来像 人々や地域が有する多面的な課題を協力して解決するために、効果的に専門職連携を構築できる医療者を目指しましょう。保健医療の正しい情報に基づいて、他職種と連携してヘルスプロモーションができると、個や集団を対象とした健康寿命の延伸に貢献できます。老年看護学老年看護学看護学専攻成人・老年看護学領域看護学専攻成人・老年看護学領域チームは何のためにあるのか?-世界に誇れる高齢者ケアを目指して-地域連携による保健医療データの解析・先進的なテレヘルスケアと健康課題の解決

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