研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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国内外の橋梁の崩落事故から学ぶ橋梁の維持管理の教訓日米欧の橋梁維持管理技術に関する研究橋梁劣化のメカニズム、劣化要因に関する研究道路の熱伝導に関する数値解析道路の凍結に関する数値解析路面の霜形成のメカニズム及び影響要素に関する研究自動車カーブ走行の安全性と事故防止に関する研究産学官共同研究で、信州発の橋梁の簡易点検マニュア外国人女性研究者委員として県主催の「明日の建設業を⽔環境地震波出典:KiK-net80日本は人口の高齢化だけでなく、橋梁の高齢化も急速に進んでいます。2022年には高度経済成長期に建設された橋梁が全部50歳以上の橋梁になり、全国約半数の橋梁が高齢化橋梁になります。橋梁の維持管理、メンテナンスの技術がとても重要です。曹研究室では、橋梁劣化のメカニズム、日米欧における橋梁マネジメント技術、橋梁の長寿命化等に関する研究を行っております。現役橋梁の点検や劣化診断、調査をするために、橋梁の現場にも行きます。又、環境による橋梁・道路の熱パフォマンス、凍結状態に与える影響等にも研究しております。曹研究室では、基礎知識や工学の専門知識をベースに、卒業研究を通して、問題を見つけて解決する観察力・研究能力、仲間と助け合う協力性、国際感覚を有する豊かな人間性を養います。将来、土木工学分野の技術者・研究者になり、道路・橋梁等の維持管理を行ったり、耐震性の強い長寿命な橋梁を設計したり、土木の建設現場を管理したり、海外で質の高い技術支援を行ったりすることが出来ます。【私の学問へのきっかけ】人間が長生きを望んでいるように、どの国も橋梁等のインフラを長く使いたいです。2007年アメリカで発生した、多数の死傷者を出した橋梁の崩落事故が学問へのきっかけの一つでした。このような大惨事を他の国で発生させないようにする為に、橋梁の設計段階から供用生涯を終えるまで、どのように維持管理を行うべきか、国内外の落橋事故からどんな教訓を吸収すべきか等について研究し、橋梁の長寿命化と繋ぎたいです。とマネジメント技術ルを作成し、県内外現役橋梁の点検に適用された語る女性の会」に参加し、提言を出した土木や建設分野の国家・地方公務員になって、道路・橋梁等の維持管理に携わります。建設会社や原子力発電所、JR、建設コンサルタントに就職し、活躍されます。土木・建設会社の現場一線で力を発揮することもできます。更に、海外でも土木技術者として貢献できます。(洋食屋さんに転身した卒業生もいます。)50年以上15年以上~25年未満不明2009 752 (18.8%)20121156 (28.9%)2022 2153 (53.9%)0%20%某県管理の橋梁の橋齢分布から、2022年には半分以上の橋梁が50歳以上になることが分かる。この傾向は全国の橋梁にも見られる曹研卒業生が参加した老朽化橋梁の解体工事。橋脚にアルカリ骨材反応と疑われるひび割れが見られる25年以上~50年未満15年未満 2049 560 2923431837528343132136834313240%60%80%100%大阪府立大学共同研究員(中国国家公派訪問学者)等を経て、信州大学工学部に勤務。研究内容は橋梁の維持管理・マネジメント、橋梁劣化のメカニズム、道路・橋梁等の熱伝導、凍結のメカニズム等である。NPO橋梁メンテナンス技術研究所理事青少年の為の科学祭典(2010年)の実行委員及びブース出展県技術協会会員を対象に、出前講座“日米欧の橋梁維持管理について”を実施した国際会議ISCEAS“CivilEngineeringⅡ”session座長(写真提供:柳澤直徳)助教曹⻄研究キーワード研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績社会貢献実績橋梁の維持管理・橋梁劣化のメカニズム・道路・熱伝導・凍結研究から広がる未来卒業後の未来像風速・片勾配・縦断勾配は一定(U=2.1(m/s), α=1°, θ=2°)・⼟⽊⼯学科橋梁劣化のメカニズムを明らかに、橋梁崩壊の教訓を吸収し、橋梁の⻑寿命化を⽬指す

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