研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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文字列パターン照合アルゴリズムの開発高速検索を実現する索引に対するデータ構造暗号化データに対する検索法(検索可能暗号)の開発パターン照合アルゴリズムのセキュリティへの応用GPUを用いた並列処理XMLデータ検索表1索引サイズの比較:以下に示すように、従来法の検索用索引は1.2GBを要する。一方、提案法は316MBであり、従来法の1/4で済む図1検索時間:ヒット数50万件の検索で1秒程度、10万件以下だと0.2秒以下で検索可能コンパクトなDFA表現を用いた高速フィルタリングシステムに関するオートマトンに基づく部分文字列検索に対応した検索可能暗号に先進的データ構造を用いた安全で効率的な部分文字列検索可能電⼦情報65316MB山本研究室では、より安全で効率的な検索を行うための基本技術の開発を行っています。社会の情報化が進むにつれ、データをサーバコンピュータに保存し、ネットワーク経由で利用する形態が拡大しています。このような利用形態において、個人情報や機密データなど第3者に知られたくない情報を扱うためには、データを暗号化して保存することが重要です。そのため、暗号化データを暗号化したまま検索する検索技術(検索可能暗号)の開発が活発に進められています。研究室では、多様な検索を、高い安全性を保持したまま効率的に実現する新たな検索可能暗号の開発を行っています。山本研究室では、安全で効率的な検索技術の開発に取り組んでいます。これは、暗号化されたデータを暗号化したまま検索する技術です。クラウドサービスが普及する中、高度情報化社会では、情報を保護するため、安全で効率的な検索技術は欠かせません。そのため、同研究室では新たな技術の開発に取り組んでいます。情報化はあらゆるところで進んでいるため、情報セキュリティ、情報検索の分野はますます重要な技術になります。卒業生は、IT企業、電機メーカなどに留まらず幅広い分野で活躍しています。以下の特長をもつ検索可能暗号の実現①部分文字列の検索が可能②情報の秘匿性が高く安全③省スペースであり、かつ高速な検索が可能1省スペースな検索可能暗号の実現2部分文字列検索可能な検索可能暗号の実現元データ従来法提案法【私の学問へのきっかけ】研究の世界に入った一番大きなきっかけは大学院への進学だと思います。当時は,コンピュータ関連の分野は新しい学問分野であり,魅力的でした。そのため、大学院へ進学し,専門分野をさらに深く学び,新たな研究をしてみたいという思いでこの道に進みました。東北大学大学院博士課程修了後、東北大学電気通信研究所、山形大学工学部を経て1988年より信州大学工学部に勤務。2003年より現職。研究分野はアルゴリズムの開発、情報検索、情報セキュリティ。複雑なパターンに対する高速パターンマッチングアルゴリズムの開発と情報検索への応用(栢森情報科学振興財団)研究(大川情報通信基金)文字列上のビット並列法を利用した高速木パターン照合アルゴリズムの開発(科学研究費)階層型ブルームフィルタを用いた暗号化データに対する柔軟で効率的な検索法の開発(科学研究費)関する研究(科学研究費)暗号の開発(科学研究費)学生の活躍:2016年情報セキュリティの全国大会で学生論文賞を受賞。左がその全国大会で受賞論文を発表している様子、右は学生論文賞に対して授与された盾安全な検索システム:鍵をもつ正規利用者だけが、検索サーバにアクセスし、暗号化データを検索することができる。検索サーバは暗号化したままデータを検索する教授⼭本博章研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード検索可能暗号・情報セキュリティ・アルゴリズム・パターン照合・情報検索卒業後の未来像最近の研究トピックス348MB1.2GBシステム⼯学科安全で効率的な検索技術を求めて

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