研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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「マスクパタン最適化およびパタン特定技術の研究」(共同研究キオクシア株式会社,東京工業大学,会津大学,広島市立大学)「雑音畳込みニューラルネットワークの研究開発」(科研費「一般同期式回路における投機実行を利用した柔軟な近似演電子情報422014年東京工業大学博士後期課程修了、博士(工学)。北陸先端科学技術大学院大学、東京工業大学を経て、2021年より現職。計算機アーキテクチャ、ハイパフォーマンスコンピューティング、集積回路設計など様々な分野の研究に従事。近似演算回路設計FPGAを用いた高速アルゴリズム開発スマート農業向けIoTシステム開発基盤B)「IoT/AIスマートセンシングプロセッサに向けた最適回路設計の調査研究」(JST COI若手デジタルFS)算回路設計技術」(科研費若手B)「投機実行を利用した同期回路によるFPGA向け近似演算回路設計」(東京工業大学助教インセンティブ研究費)助教佐藤真平カスタムコンピューティングによって、これまでは大規模なコンピュータが必要だった計算を手軽に行えるようにしたり、専門の人が必要だったものを誰でもできるようにしたり、人手が必要だったものを自動でできるようにしたり、と様々なことを便利にしていきます。Xilinx社のFPGAを搭載するボード(ZYBO)。このような機材で設計した回路を動作させて実験、評価を行うスマート農業。FPGAを用いて、スマート農業を実現するIoTシステム開発に挑戦(画像は農林水産省のHPより)【私の学問へのきっかけ】子供の頃に漫画の「鉄腕アトム」を読んで、ロボットを作りたいと思ったのが最初です。中学・高校といろいろ学ぶうちに鉄腕アトムを実現するために必要な技術がだんだん分かってきて東工大を目指すようになりました。今では、いろいろな計算をより速く行う方法を中心に、それによって実現できる新しいモノに興味があります。スマートフォンや家電など私たちの身の回りではコンピュータが組み込まれている電子機器が使われ生活が便利になっています。そのような電子機器は使われる場面に合わせて機能を特化して設計されており、カスタムコンピューティングと呼ばれています。AIなどの技術やカスタムコンピューティングに適したハードウェアの進化により、産業や生活のより多くの場面で効率化の可能性がでてきていますが、実際に使えるモノを作るには計算性能だけではなく消費電力・信頼性といった様々な制約をクリアする必要があります。研究室ではハードウェア設計やアルゴリズムの改良によって効率的なシステムの構築を目指しています。ものづくりの分野ではハードウェアとソフトウェアの協調設計が不可欠です。その中でハードウェアの知識を持っていることは大きなアドバンテージになります。一方で、研究に取り組む過程で身につく考え方などはあらゆる分野で必要な能力です。近似演算回路設計新しいアプローチによる近似演算回路の設計手法の研究を行っています。回路設計レベルでの典型的な近似演算は、回路の機能を縮退させる方法で実現されます。一方、提案している手法ではクロック同期回路で周期の短いクロック信号を用い、タイミングエラーが発生してもそのまま動作させ続けることで近似演算を実現します。周期の短いクロック信号とクロックスケジューリングにより回路の出力結果に誤差は含まれますが高速動作を実現します。配線アルゴリズム集合対間配線という、ソース端子とシンク端子の集合が与えられ、ソースとシンクの端子を接続するが、その組み合わせは自由でよいという配線を自動で行うアルゴリズムの研究を行っています。配線問題では配線をなるべく短く、長さをなるべくそろえることが求められることが多いのですが、そのような配線を自動で高速に求めることはとても困難です。研究キーワードIoTシステム設計・FPGA・計算機アーキテクチャ・集積回路設計研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績卒業後の未来像最近の研究トピックスシステム工学科カスタムコンピューティングで世の中をもっと便利に

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