研究紹介_2023_日本語版(工学部)
43/150

広帯域無線デバイスを用いたOFDM信号処理アルゴリズムにソフトウェア無線アクティブ・ラーニング・モジュールをひらめき☆ときめきサイエンス子ども向け講座「音を見る?光を聴く?電子工作とプログラミングで可視光通信を体験しよう」を開講(日本学術振興会)繰り返し送信方式の新提案とその広域化・低消費電力化効果理論解析結果に基づく適応制御を用いたエルミート対称符号フェージング相関を活用したOFDM伝送方式電⼦情報41Wi-FiやLTE(LongTermEvolution、移動通信システム)、地デジ(地上デジタルテレビ放送)など、専門用語が愛称として定着するほど無線通信はとても身近な存在になっています。普段から何気なく使っている無線通信システムはたくさんありますが、それらを支えている無線通信技術は共通している部分が多いです。笹森研究室では、さまざまな無線通信技術の効率を理論的に追求し、手軽で効率の良いデジタル無線通信の実現を目指しています。具体的には、可視光やFM電波、音波をデジタル通信回線として活用し、低消費電力で広範囲に情報を伝えるための無線信号処理方法について検討しています。スマホを使った超高速通信とは違い、身の回りの様々なモノ(センサー)がインターネットにつながるIoTでは高速通信は必要無く、低消費電力で広範囲に情報を伝える必要があります。電波が使えない場所もあります。様々なニーズに『柔軟に』対応できる無線通信技術を目指しています。【私の学問へのきっかけ】子どもの頃は雑誌を読みながら見よう見まねでプログラミングでゲームを作って遊んでいました。理数系が得意だったので理工学部を目指し、成績だけで学科を決めました。大学3年までは鳥人間コンテストに出場するサークルに没頭し、たまたま講義がわかりやすかった先生の専門分野が無線通信なだけで現在に至っています。きっかけはどうであれ色々なことに積極的に取り組んでいれば、自分のやりたいことが必ず見つかります!☆コンピュータシミュレーション技法☆マイコン・シングルボードコンピュータへの実装関する研究(マリモ電子工業株式会社との共同研究)用いたOFDM信号処理の学習支援システムの構築(マリモ電子工業株式会社との共同研究)組合せた多言語表示システムの開発(総務省SCOPE)広域化・低消費電力化(科研費基盤(C))(科研費若手研究(B))IoT時代が到来し、無線通信技術を必要としている企業は多いです。通信事業者、鉄道事業者、電力会社、自動車メーカー、通信機器メーカーに就職する学生が多いですが、つぶしが効く職種ですので、キャリアアップを目指して転職する卒業生もいます。直交周波数分割多重(OFDM)方式はWi-FiやLTE、地デジなどの通信方式として幅広く用いられていますが、デジタル情報を伝送する信号波が下図左のような雑音(正確には白色ガウス雑音)と同じ性質になることから、使い方を工夫すればデータハイディングにも活用できます。OFDM信号波の周波数スペクトルの振幅成分を適宜調整することで、任意の音楽にデジタル情報を埋め込むことも可能です。OFDM信号波の波形に合わせてLEDの発光強度を調整することで、照明の光にデジタル情報を埋め込むことも可能です。人間の目では感じ取れないスピードで明るさが変化しているので、ちらつきはありません。下図右は、ANALOG DEVICES社が販売しているADALM-PLUTOと呼ばれるソフトウェア無線アクティブ・ラーニング・モジュールです。このモジュールをはじめ,近年は各社から低価格のソフトウェア無線ハードウェアが販売されています。このようなハードウェアに当研究室で提案したOFDM信号処理アルゴリズムを実装し,420MHz帯の電波を用いて無線伝送実験しています。下図左のOFDM信号波形も、ADALM-PLUTOを用いて生成した波形です。LEDRaspberryPiZeroフォトダイオードRaspberryPiFMトランスミッターFMラジオ早稲田大学大学院を修了後、2000年より信州大学工学部助手、2006年より助教授、2017年より現職。研究分野は通信工学、特に無線通信、無線信号処理、通信品質の理論解析に関心がある。直交周波数分割多重(OFDM)技術に関する研究スペクトル拡散技術に関する研究可視光通信技術に関する研究ベースバンド信号処理に関する研究ディジタル通信品質の理論解析に関する研究ウエアラブルデバイスによる拡張現実(AR)と可視光通信をの理論的解明及び実験検証(科研費基盤(C))OFDMベースバンド伝送方式を活用した無線ネットワークの化OFDM方式(科研費基盤(C))Raspberry Pi に無線信号処理を実装した可視光通信実験Raspberry Pi Zero に無線信号処理を実装したFMステレオ伝送実験教授笹森⽂仁研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード無線通信・直交周波数分割多重(OFDM)・スペクトル拡散・ベースバンド信号処理・通信品質の理論解析卒業後の未来像最近の研究トピックスシステム⼯学科理論を追求し、⼿軽で効率の良いデジタル無線通信の実現を⽬指す︕

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る