研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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極域超高層大気観測人工衛星に搭載する光学観測技術の確立ライダー計測の昼間観測手法の確立計測制御工学の大気観測への応用ライダー3D観測のための観測器開発精密波長計測技術の研究ナトリウム温度ライダーに応用するレーザ周波数の超精密制昼間観測のための中間圏ナトリウムライダー用ファラデー昼間観測のためのナトリウム温度ライダー用超狭帯域光学電子情報39火星探査衛星の光学観測機開発で博士学位を取得。2007年より現職。ナトリウムライダーを含む光学観測の研究に従事。第40次南極越冬隊員。その体験談に科学を絡め、長野市内の小中高校で講演多数。ナトリウムライダーの新規観測モード:3次元観測への拡張(代表科学研究費基盤研究B)御方法の研究(代表科学研究費基盤研究B)極域温度モニター用高出力ナトリウム・レーリー温度ライダーの基礎研究(代表科学研究費挑戦的萌芽)フィルタの開発と特性測定(代表科学研究費基盤研究B)南極域における下部熱圏中間圏の温度構造/エネルギー結合過程に関する研究(代表科学研究費奨励研究A)フィルターの開発(代表科学研究費奨励研究A)ノルウェーのトロムソにあるEISCATレーダ観測施設に設置した高出力ナトリウムライダーのレーザーの一部レーザー波長の超精密制御を行う観測所から夜空に向けて射出される黄色のレーザーオーロラ活動時の大気温度の空間変動を調べるため、5方向に射出【私の学問へのきっかけ】自然も宇宙も不思議です。人間や生物の存在に関係なく科学の法則が成り立っています。一方で、地球上の動物の中で人間だけが自然現象に疑問を持ち、その謎を解き明かそうとします。人間は動物の中で特別なのだと思います。なので、人間の特権として、自然法則を自分で調べて知る機会を与えていただいた、という気持ちで学問に接しています。ライダー観測に用いられる複数の光学望遠鏡オーロラに向かって射出されるレーザー光川原研究室では、地球や惑星の大気を計測する光学的な観測技術に関して研究を行っています。地球大気の観測では、レーザーという明るく遠くまで届く特殊な光を用いて、オーロラが光っている高度の北極大気の温度や風速を観測しています。この観測装置は「ライダー」と呼ばれ、パルスレーザーを使って距離情報を得る計測技術です。身近なところでは車間距離を計る自動車の自動ブレーキの技術に応用されています。このような光技術は自然界の様々な現象を解明でき、我々の生活を支える工業製品にも応用できます。科学は嘘をつきません。それを調べるのは人間です。地球や宇宙の観測を行うには、国内や海外の研究者との協力が必須です。自然界の真理を解き明かすには国籍など関係ありません。必然的に国際的コミュニケーションが生まれます。観測装置の原理の理解はエンジニアの基本で、その教育を徹底しています。また、研究発表は、伝える技術を磨くとともに論理的思考のための手法と位置付けています。これらはすべて社会に巣立ってから自分で考えて生きていける人間力の種になると考えています。(1)レーザーを光源に用いた観測は昼間の太陽光の下では極めて困難である。特に極域ではライダー観測は夜が長い極域の冬に限られているため、季節変動を捉えられていない。そこで、夏(昼間)の観測を目的として、極めて安定な狭帯域フィルタの開発に着手している。(2)水素/重水素ガスを封じた吸収セルと呼ばれる人工衛星搭載型光学観測装置で、真空紫外領域の水素/重水素Lymanα線の観測を行い、惑星周辺の同位体比から大気からの水の散逸過程を調べる。准教授川原琢也研究キーワード研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績光学計測・極域超高層大気観測・レーザー・アクティブリモートセンシング卒業後の未来像最近の研究トピックスシステム工学科レーザー技術を用いて地球大気と宇宙との境界領域を探る︕極域大気変動を計測

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