研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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Ap( tnerruC)013電子情報33・2015年3月豊橋技術科学大学大学院工学研究科修了博士(工学)取得・同年4月より信州大学工学部助教専門の研究分野・電気・電子材料工学(材料探索と素子応用)・結晶工学(結晶作り)炭素系化合物半導体の創成と電子素子応用(層状窒化炭素膜のキャリア輸送制御と電気電子素子応用)(異種元素添加による物性制御)(様々な化学組成比を有する窒化炭素の合成)原子層薄膜による発光素子の放射色変換制御(1つのLEDチップ上で様々な光を実現するための色変換)(可視光域において発光する新しい二次元発光材料の検討)微小独立電源の開発に向けた環境発電の検討(複数のエネルギーハーベストを1材料で実現する素子の開発)科研費(代表)2021-2023年日本学術振興会科学研究費助成事業若手研究「グラファイト状窒化炭素膜の半導体素子への展開」2019-2020年日本学術振興会科学研究費助成事業若手研究助成金(代表)2021-2023年公益財団法人マツダ財団研究助成「窒化炭素膜への外場印加によるキャリア輸送制御と低消費電力素子への展開」2020-2021年公益財団法人加藤科学振興会研究助成2019-2021年公益財団法人泉科学技術振興財団研究助成2019-2020年公益財団法人浦上奨学会研究助成2019-2019年信州大学ものづくり振興会研究助成2018-2018年公益財団法人村田学術振興財団研究助成2018-2018年一般財団法人信州大学工学部若里会研究助成2018-2018年公益財団法人TAKEUCHI育英奨学会研究助成その他、海外渡航助成3件グラファイト状窒化炭素膜の抵抗異方性を観測した。また電界効果素子を作製し、面内方向電流のスイッチングを実現した。ディスプレイとしてだけでなく異分野融合を含む様々な次世代光技術を支える重要素子として期待されているマイクロLEDの、新たな放射色変換手法の提案。マイクロメートルサイズの青色LEDチップの放射色を層状物質のGaSSeおよびGaSeを用いて緑色および赤色へそれぞれ変換した。より薄膜化可能な材料や構造を検討中。左上:作製した層状物質の一例(電子顕微鏡像)。右上:結晶構造(原子配置)の概略。層状物質の多くは六角形の原子配置をしており、作製したもの(左上)もそれを反映した形状をしている左下:断面構造の観察(電子顕微鏡像)右下:積層構造の概略低コストで簡易に作製可能な半導体のグラファイト状窒化炭素膜。ホウ素添加によりその発光波長を紫外線側へ変化。可視光側への制御も検討中【私の学問へのきっかけ】中学生の頃に電化製品が作りたいと思い軽い気持ちで高専に進学しましたが、19歳の頃に実験で光る半導体に出会いました。原理や理屈は難しいですがそれが興味に変わり、深く知ってみたいと考え大学へ編入し、運よくその研室を続けてきました。現在では、半導体だけでなく理解が難しい現象を示す材料にも興味が移り、革新的な素子の開発を目指すようになりました。806040200-20-40-60-80 Vg: -8 V Vg: -3 V Vg: 0V Vg: 3V-3-1-22In-plane Voltage (V)パソコンやスマートフォン等の電気電子機器は目に見えないほどの小さな素子から成り立っていますが、高性能化のために小型化や新たな材料を用いられてきています。また近年では、それらの進化し続ける性能に加えてライフサイエンスなど異分野でも利用できる新しい付加価値を与える必要性が高まってきています。このような背景から当研究室では、特に層状物質という特異な性質を示す電子材料により、①新たな現象がみられる電子材料の発見とその応用に加えて、②電気/磁気/光/熱といった電気電子工学に関連する物理性質を複数融合することにより新しい素子の提案と実証を目指しています。層状物質は物理的性質に注目が集まる一方で、素子応用の検討例が少なく大きな可能性がまだまだ眠っています。当研究室では、新規材料の創成と素子の設計製作の両者から、これまでの常識を打ち破る革新的な電気電子素子の実現に挑みます。本研究室では、材料やそれから成る素子について総合的に知る必要があります。また実験装置を自らが動作させ、維持管理を行います。それらの経験は、電機メーカーを筆頭にインフラや研究機関などにおいて、幅広く活躍できる技術者になるために活きていきます。助教浦上法之研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード単結晶薄膜・窒化炭素・⼆次元材料(層状物質)卒業後の未来像最近の研究トピックスシステム工学科特異な性質を⽰す新材料探索と素子への展開電気電子工学の新たな基盤技術を開拓

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