研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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酒粕の有効利用を目指した機能性成分抽出法の開発キノコ培地酵素を利用した染料排水処理技術の開発担子菌キノコの潜在能力追求による新規バイオ燃料製造プロセ物質化学科21野﨑研究室では、自然界に生息する微生物から有用な酵素を見つけ出し、バイオマスの分解と利用などに活用する研究を行っています。バイオマスは再生可能な資源であり、主に微生物の酵素によって分解されます。この分解システムは、生物が長い進化の過程で獲得してきた効率的なものです。人類がこれををうまく利用するためには、必要な酵素を取り出し、大量生産し、さらには活性や機能、安定性を上げることによって、目的の化学反応に適したものに改良する必要があります。我々とともに微生物がもつ未知の機能を探索し、バイオマス利用の可能性を追求してみませんか。微生物は人類にとって有用な酵素を生産しています。野﨑研究室では、微生物のバイオマス分解酵素の生産性を上げたり、遺伝子組換え技術で酵素の性質を改良する研究を行っています。これにより、環境調和型の化学プロセスが実現できると考えています。(地域・民間企業との共同研究)(民間企業との共同研究)(民間企業との共同研究)(財団助成金)(NEDO,研究委託)酵素の利用分野は、化学、医薬、食品、農業、繊維や環境など多岐にわたっています。また、研究室で習得できる実験技術は、化学系や生物系などの企業で活用できます。より高度で専門的な研究を行うため、修士課程や博士課程の大学院に進学する学生もいます。セルラーゼ生産量が増加した菌を作出した【私の学問へのきっかけ】青森の自然の中で遊び育ってきました。中学校では科学部を作り,高校では生物部の部長を務め,その興味はますます高くなっていきました。大学に進学して地元を離れたとき,その自然豊かな光景は,ごく限られた地域にしか残っていないことに気づきました。大学の講義では,生物の精密機械のようなシステムに感激し,学生実験では生物触媒「酵素」に魅了されました。気づいた時には,研究にドップリとはまっていました。北海道大学を卒業後、信州大学助手を経て、2005年より現職。青森育ちで自然と田舎を愛する。専門分野は、酵素化学、遺伝子工学。微生物酵素の基礎と応用研究を行う。酵素反応の解析酵素の探索,単離や利用酵素の生産性の向上バイオマスの酵素分解,有効利用微生物の同定(遺伝子解析)生物(微生物,植物)が関係した化学的現象の解明や利用遺伝子組換え生物の作製あんずの有効利用に関する共同研究酵素を使った人工染料脱色技術の開発スの開発(信州大学大学・グリーンイノベーション研究支援事業) 糸状菌セルロース膨潤タンパク質の機能解析(科研費・基盤C)セルロース系エタノール生産システム総合実証事業糸状菌セルラーゼ生産量増強システムの構築(科研費・基盤C)微生物からDNAを抽出している実験(左)と無菌的なクリーンベンチ内で微生物を植え付ける大学院生(右)酵素セルラーゼで分解した後の様々なセルロース合成染料を分解して脱色する酵素を発見したアミノ酸変異によって酵素活性を上げることに成功した【写真&写真キャプション】写真フォーマット:上下2つのエリア分。幅約31准教授野﨑功⼀研究キーワード研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績酵素・バイオマス・微⽣物・遺伝⼦卒業後の未来像最近の研究トピックス⽣体触媒 “酵素” の謎にせまる微⽣物酵素の⽣産量・性質の改変と応⽤

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