研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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分離・反応における省資源化を目指した層状結晶デザイン(科研費基盤C)天然物のみで構成するVOC用光学センサーの設計(科研費挑戦的萌芽)磁石で回収可能な金属イオン吸着剤の開発(JST A-step)廃プラから超純粋炭化水素へ変換する炭素循環法の開発(JST ALCA探索)球状シリカマイクロ粒子とスメクタイト微結晶の複合技術開発(公財コ様々な環境下で安定な磁性体の調製(公財日本板硝子材料工学助成会)粘土鉱物を用いたカフェイン除去の効率改善(民間企業との共同研究)液体中の金属イオン除去技術の研究(民間企業との共同研究)化粧品用色材開発(民間企業との共同研究)建材用断熱ポリマーフォームの改良(民間企業との共同研究)廃棄ポリ塩化ビニルの脱塩化水素化と有効利用法の開発(民間企業と物 質化学科17吸着剤や触媒は,わたしたちの生活に役立つ物質として知られています。例えば,吸着剤は有害な有機化合物を効率良く除去することができますし,色素を吸着させれば顔料に応用できます。固体の触媒には,酵素のように,ある特定の物質を選択的に変換する機能があり,身の回りのさまざまな化成品を効率よく生産するのに役立ちます。当研究室では,このような吸着剤や触媒を自然由来指数(自然原料,自然由来原料の割合)の高いプロセスを意識しながら設計する研究をすすめています。身近な自然現象は実は複雑で未だわからないことがたくさんありますが、この中に画期的な吸着剤や触媒を開発するヒントは眠っています。幸いにも多くの先端的分析機器を利用できる環境にありますので、この恵まれた環境で、分野を超えて様々な研究者と協力しながら、誰も思いつかない発想で高性能な材料をつくっていきましょう。【私の学問へのきっかけ】私は高校では化学と地学が好きでした(他はさっぱりだめでしたが。。)大学に進学する目的は高校の理科教員になるためで、一浪を経て大学進学し、教員免許を取得しました。卒業研究では「化学」の研究室を選び、大学院で研究をすすめていくうちに、教科書に書かれていることを教えるよりも、将来教科書に載るような仕事が魅力的であると感じ、この世界に入りました。スメトロジー研究振興財団)の共同研究)化学に限らず、電気、機械分野においても新しい素材づくりには化学の知識、そして素材の性質を調べるための分析技術が必要です。これらをバランス良く学びながら、素材の本質を掴む方法を身につければ、研究開発の中核を担えることになるでしょう。特に修士課程修了生は、化学・材料系での研究・技術開発職で活躍しています。迅速かつ連続的に混合物からターゲット分子を分離する素材開発に取り組んでいます。最近では、大型放射光施設(SPring-8)にてカフェインの吸着挙動を秒単位で追跡するなど、基礎的な検討を外部の研究機関と共同で取り組んでいます。早稲田大卒後博士(理学)を取得し、早稲田大助手、信州大助教を経て2015年より現職。専門分野は材料化学、表面化学、特定の分子が吸着・触媒される物質表面に興味を抱き研究を展開中。磁石で回収可能な吸着剤・触媒の合成水に浮かぶ光触媒粒子の設計中空シリカカプセルの合成有機ポリマーと無機化合物との固相ブレンド(加熱混練)水熱合成(回転式水熱反応装置)粘土鉱物の吸着剤・触媒応用ポリマービーズ代替シリカ系顔料の開発ポリ塩化ビニルの低温脱塩化水素技術と有効利用法開発自然由来原料の酸性アミノ酸(L-アスパラギン酸)と粘土鉱物(ナノシート)が水溶液で複合すると、グルコースを酸化(脱水素)する酵素(デヒドロゲナーゼ)のような活性が現れる。合成フッ素金雲母(化粧品用粉末)表面を特殊コーティングすることで、色彩豊かな顔料を合成できる准教授岡⽥ 友彦研 究 シ ー ズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード吸着剤・固体触媒・⽔熱合成・シリカ・⽔溶液・⾃然由来指数研究から広がる未来卒業後の未来像最近の研究トピックス⾃然由来指数の⾼い吸着剤・固体触媒

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