研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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透明なマイカ結晶化ガラス「高性能バイオマテリアルとしてのカーボンナノチューブ複合セ「透明な結晶化ガラスのイオン交換による化学強化と高次機能物 質化学科14セラミックスは有用な性質や機能がたくさんありますが、「脆いこと」と「加工が難しいこと」が大きな弱点です。樽田研究室では、セラミックスへナノカーボンや雲母などを複合化して、脆さを改善する研究や機械加工を可能にする研究を行っています。雲母は化粧品や塗料など様々な分野で利用されている物質で、物質化学科の前身の工業化学科・合成化学科の時代から雲母に関する研究を継続して行っています。樽田研究室でも、雲母に関する研究を引継ぎ、上記の複合体の他に、雲母のイオン伝導や透明な雲母セラミックスなど、常識を覆す研究に取り組んでいます。人類は、石器からはじまり金属や樹脂など新しい材料を開発・普及することで、便利で豊かな暮らしができるようになりました。最近では、パソコンやスマホが、そこに使用されている材料の進化で、小型化や高性能化して普及し、人々の生活スタイルが一変しました。このように、新しい材料の開発は世の中を全く別世界へ変える可能性があります。【私の学問へのきっかけ】【私の学問へのきっかけ】大学生のとき、所属学科は材料系というわけではありませんで大学生のとき、所属学科は材料系というわけではありませんでししたが、材料に関した授業を聞き、材料って面白いかもと思いたが、材料に関した授業を聞き、材料って面白いかもと思いましました。ちょうどそのときに起きた「セラミックブーム」にた。ちょうどそのときに起きた「セラミックブーム」に乗っかり、乗っかり、今に至ります。当時、セラミックスには夢や希望で今に至ります。当時、セラミックスには夢や希望で満ち溢れてい満ち溢れていました。ました。マイカ複合セラミックス,ワラストナイト複合セラミックスなど電池・センサー、イオン伝導,発光、機械加工性、金属ナノ粒子の析出など、ナノカーボン複合セラミックス破壊靭性の強化,電子伝導性の発現,熱伝導性の向上低温焼結、機械的性質の向上■セラミック原料の合成と成形無機ナノ粒子の液中分散る強化」(科研費(基盤研究C))ラミックスの開発」(科研費(基盤研究B))費(挑戦的萌芽研究))化」(日本板硝子材料工学助成会研究助成)材料化学は、幅広い分野の内容を含みます。それらの知識・経験を身につけることで、どんな分野の製造業にも対応できます。卒業生・修了生の多くは、いろいろな製造業へ就職していますが、特に、修了生は化学・材料分野の企業への就職が多い傾向にあります。機械加工が可能な透明なマイカ結晶がガラス(左)、そこへ銀を添加した結晶化ガラス(中央)、そのSTEM像(右)銀ナノ粒子がマイカ層間に析出機械加工が可能なジルコニア/ワラストナイト複合体(左)そのSTEM像(中央)擬似体液に浸漬して析出したアパタイト粒子(右)生体活性を示す光る雲母塊左:可視光下、右:紫外線照射(発光状態)電子レンジを使用しての合成も可能機械加工ができるマイカ複合ジルコニアセラミックス(左上)表面のマイカをイオン交換した状態(左下)、イオン交換する前の表面に発生させた圧痕(右上):発生した亀裂が長い、イオン交換した表面に発生させた圧痕(右下):発生した亀裂が短い、強化ガラスと同様の強化が期待される鉄含有雲母:磁化して磁石にくっつきます長野市出身。大学院博士課程を2年で中退して、信州大学工学部に平成元年4月に助手として赴任。講師、助教授を経て現職。専門は無機化学、無機材料化学、セラミックプロセッシング、セラミック物性。機械加工ができるマシナブルセラミックス■アルミナ、ジルコニアおよびアパタイトセラミックスの成形と焼結「膨潤性マイカ複合セラミックスの自己修復能とイオン交換によ「電気伝導性を有する透明なマイカ結晶化ガラスの合成」(科研「歯科用快削性セラミックスの開発」(JSTシーズ発掘試験)「マイカに関連した研究開発」(民間企業との共同研究)「道路標示材などの研究開発」(民間企業との共同研究)「3Dプリンタに関連した研究開発」(民間企業との共同研究)教授樽⽥ 誠⼀研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワードセラミック原料 ・ 成形と焼結 ・ マイカ(雲⺟)・ ⽣体材料 ・ イオン伝導体卒業後の未来像最近の研究トピックスセラミックプロセッシングを駆使した新材料の創成-⾮常識な材料をめざして-

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