研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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ヘテロ環化合物を利用した農薬の創製研究(民間企業との共キラルルイス酸触媒を用いるカルボニルイリドの不斉付加環架橋酸素多環式化合物の汎用性不斉合成法の開拓と合成化学キラルルイス酸を触媒とする汎用性不斉双極性付加環化の開イリド活性化法を基軸とする新規立体選択的分子変換法の開「金属/酸」ハイブリッド触媒系における双極性化合物の立物質化学科12菅研究室では、薬理活性な光学活性ヘテロ環化合物の合成に関する研究を行っています。有機分子には、不斉中心があり、鏡像関係にある右手系と左手系の化合物が存在します。このような分子は、医薬品にも用いられていますが、右手系が薬であるのに対して、左手系は毒として作用することが多々あります。有機合成の分野では、このような分子をいかに効率的に作り分けるかが重要な研究課題です。同研究室では、医薬品に多く含まれる酸素や窒素などを含む環状化合物(ヘテロ環)をターゲットとして、一方を作り分ける分子触媒や高選択的反応の開発を行っています。有機合成化学は、医薬品や農薬の合成のみならず、新しい有機材料の合成にも広く用いられており、重要な役割を担っています。合成反応では、目的とする化合物以外に副生成物が生成する場合があり、ほしいものだけを効率的かつ選択的に得る手法として新規分子触媒の開発が重要です。【私の学問へのきっかけ】有機化学の分野や研究室の選択は、父親が有機化学を専攻していたという単純な理由でした。この分野は、大学入試において受験生にとっては、単なる暗記科目でしかないのが現状だと思います。しかし、大学での有機化学は、全く異なっており、特に、研究では理論に基づいて新しいアイデアを試すことができ、正確な分析ができれば、問題を解決する喜びを味合うことがでます。これが、私にとって、何よりも興味深い学問です。化学、製薬および農薬メーカーへ多くの卒業生を輩出しています。有機化学は、分子レベルでものを扱う学問であり、その習得により、低分子や高分子等を問わず幅広い分野で活躍できます。研究室内で使用している実験装置の例大阪大学大学院理学研究科助手、ミシガン大学博士研究員、信州大学工学部助手、助教授を経て現職。主な研究分野は、有機合成化学。特に有機合成における新規手法および新規分子触媒の開発。立体選択的有機合成反応の開発分子触媒を用いる選択的反応の開発不斉1,3-双極性付加環化反応に関する研究薬理活性ヘテロ環化合物の合成に関する研究同研究)軸不斉金属触媒存在下でのジアゾカルボニル化合物を用いる不斉反応の開発(科研費基盤研究C)化反応の開発(科研費基盤研究C)キラルテクノロジーを用いる触媒的生理活性複素環の合成(科研費基盤研究C)的応用(科研費基盤研究C)発と合成化学的応用(科研費新学術領域研究)架橋ヘテロ原子化合物の構築を基盤とする革新的アルカロイド不斉合成法の開拓(科研費基盤研究C)拓と合成化学的応用(科研費基盤研究C)計算化学的スクリーニングを利用した有機分子触媒反応の設計および開発(科研費基盤研究C(特設分野研究))体選択的反応の開発(科研費基盤研究C)種々の溶媒や試薬、ガラス器具を使ってドラフト内で反応や蒸留などの実験操作を行い、有機化合物を合成する有機分子が分子触媒(黄色)と配位結合することにより、活性化する英国王立化学会のChemicalCommunications誌(インパクトファクター:6.29)のインサイドバックカバーを飾りました核磁気共鳴装置を用いて、有機化合物の3次元構造を決定する教授菅博幸研究から広がる未来研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード有機合成・分⼦触媒・薬理活性ヘテロ環化合物・医薬品・農薬卒業後の未来像最近の研究トピックス有機合成により薬理活性ヘテロ環を作る︓新規な分⼦触媒や⾼選択的反応の開発

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