研究紹介_2023_日本語版(工学部)
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有限要素法による組積造建築の耐震解析・補強歴史的景観を活かした町並み再生世界遺産管理に関する研究アーチ、ヴォールト構造の構造解析英国の建築保存に関する法律の研究欧州と日本の耐震基準法の比較科学研究費助成事業“基盤研究(A)”「耐震的に脆弱な文化建築学科112遠藤研究室では、歴史的レンガ造建築の保存の研究を行っています。特にレンガ造建築の耐力を正確に評価する解析手法の探索、またそのような解析に基づいた構造補強計画の提案を研究目的としています。歴史建造物が持つ建築的な美しさを損なわない構造補強をモットーに研究活動を続けています。歴史的建造物の謎を解き明かしていく活動は非常に刺激的です。固定観念にしばられない自由な発想力を養うことは研究に限るものではなく、社会を生き抜いていく力の育成につながります。【私の学問へのきっかけ】私が、建築保存を志したときは、そのような分野を国内で学べる環境が整っておらず欧州に渡りました。欧州の異なる国での研究活動の間に、世界中のトップクラスの研究者との交流が多々ありました。彼らから大きな知的刺激を受け、研究者としての道を志すようになりました。私が受けたような刺激を研究者また教育者として、信州大学の学生に与えていきたいと考えています。研究室では、国内だけでなく海外でも自分らしさを表現できる人材の育成を行っています。語学はもちろん研究指導を通して、学生が国際的な幅広い視野を持つことを念頭に指導を行っています。ネパールゴルカ地震で被災した文化財の修復スペインカタルーニャ工科大学(Barcelona-tech)との共同研究2009年の地震で大きな被害を受けた教会の解析を行った。近年行われたコンクリートによる補強のため、被害がより深刻化したことを明らかにした現場での材料実験に基づき、ヴォ-ルトの耐力解析を行った。研究成果は、実際の補強計画に利用された有限要素法解析によるイタリアの中世教会の崩壊模擬スペイン、バルセロナの世界遺産建築の構造補強スコットランドダンディー大学(修士)、イタリアパドバ大学(修士)、 スペインカタルーニャ工科大学(Ph.D)卒業2016年3月より信州大学工学部研究代表科学研究費助成事業“国際共同研究強化(B)”「剛もしくは柔な床を持つ2層の歴史的組積造建造物の耐震強度」前田記念工学振興財団研究助成「2015年ネパールゴルカ地震で被災した塔状寺院の修復」研究分担科学研究費助成事業“基盤研究(B)”「歴史的組積造建造物の耐震評価における変形限界と地盤・建物の動的相互作用効果」鹿島学術振興財団研究助成「木構造と組積構造の接合性能に着目した歴史的木骨組積造建造物の耐震安全性」財組積造建造物の被災後の保存修復法」准教授遠藤洋平研究から広がる未来研 究 シ ー ズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード使建築保存・世界遺産・耐震解析・耐震補強・町並み保存活⽤卒業後の未来像最近の研究トピックス⻄洋歴史的建築の構造解析と保存活⽤

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