研究紹介_2023_日本語版(工学部)
113/150

N超断熱サッシ開発による住宅の高断熱化検証とゼロ・エミッション住宅検証(環境既存住宅におけるプラスチック廃棄物を利用した断熱気密改修工法の開発(科学研建築学科111建物の設計を行う上では、当該建設地の気象状況を明らかにしておくことが必要になります。例えば、建物の熱負荷シミュレーション計算や有効なパッシブ手法を検討する場合は、その地点における具体的な気象データが必要になります。即ち、それは建物の断熱性や気密性をどのようにすれば良いのか?自然エネルギーは何を利用することができるか?を、事前に知ることを意味しています。今までに、長野市や松本市における温度や相対湿度などのデータと、人工衛星によるリモートセンシングデータを用いて気象のマップを作成してきました。これにより、建設地の気象データの整備と都市気候の実態について明らかにしています。長野県の気候の特徴、次のとおりです。①内陸に位置するため、気温の日較差や年較差が大きい。また、湿度が低く雨量も少ない。②冬期の気候は、北部では積雪が多く、中部と南部では晴天になることが多い。③雲の発生が少なく、日照時間が長い。④3,000m級の山地で覆われているため、風速は小さい。これらを踏まえて、住まいのあり方を研究していきます。今振り返って見ると、子供の頃に「ちいさいおうち」と言う絵本に出会ったのが、建築に興味を感じた一歩目かなと思っています。この本は、静かな田舎に建つ小さい家が主人公で、時代の変貌と共にその周囲がどんどん都市化され、高層ビルの谷間になってしまった家が最終的には静かな郊外に移築されていく過程が描かれています。歳月の移り変わりがとても活き活きと描かれているため、何度も繰り返し読んだことを覚えています。(民間企業との共同研究)省委託研究事業地球温暖化対策技術開発・実証研究事業)究費奨励研究)究費奨励研究)他断熱性能に関する研究建築環境に関する学習や研究を通じて、受身ではなく、自発の姿勢を身に着けてもらいたいです。また、環境に配慮した建築物の設計や建設に関する職を目指してほしいです。1sec. 2sec. 3sec.4sec. 5sec. 6sec.【私の学問へのきっかけ】長野県出身。建設省建築研究所第2研究部、信州大学工学部技術部にて勤務。2016年より現職。・博士(工学)・一級建築士住まいの断熱性能の向上と太陽光発電や蓄電池を組み合わせたシステムの分析と評価家電リサイクル法に基づく破棄物の実態と今後予想される住宅設備の廃棄量の推計厨房設備を設計する際に必要とされる情報のデータベース化と設計マニュアルの作成木質・汚泥バイオマス施設の実態把握と地域に適したバイオマス施設の提案地方都市における気象マップの作成による温湿度等の「見える化」に関する研究自動気象観測システムの開発と装置による外界気象の把握既存プラスチック廃棄物を利用した簡易断熱改修工法の開発とその性能評価調湿建材に給水送風装置を搭載した調湿システムの開発と室内環境の実態寒冷地におけるZEH化に向けた燃料電池コージェネレーションシステムに関する研究多孔質パネルと自動給水送風装置を用いた室内の調湿に関する実験的研究(科学研◆アルミニウムコアを有する硬質低発泡ウレタンサッシ枠による内窓を用いた二重窓の◆熱処理木材と各種塗装によるヒートアイランド現象の抑制に関する研究◆飯田市のリニア駅周辺整備計画地域における開発前後の温熱環境変化に関する研究◆長野県上伊那地域の気象と住環境に関する研究建材による湿度コントロール。建材に吸着した水分が、6秒後には内部に吸い込まれている現状の表面温度南壁面41℃改善後の表面温度南壁面34℃左上:人工衛星データによる土地利用図左中:厨房のモニタリング右上:木質バイオマス発電下:フライアムトエネルギー自立の村屋根面63℃屋根面35℃夏期の表面温度。現状の建物の外表面に、熱処理木材と高反射塗装を施すことにより、表面温度の低減が可能准教授岩井⼀博研究キーワード研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績最近の研究トピックス研究から広がる未来都市気候 ・ 気象観測システム ・ 断熱改修⼯法 ・ 調湿システム ・ ZEH・リサイクル ・ 厨房設備 ・ ⽊質、汚泥バイオマス卒業後の未来像⻑野県における「⾃然環境とすまい」をテーマにした調査・研究

元のページ  ../index.html#113

このブックを見る