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31 そのとおり。一つの国の文学っていろんなものとかかわっていますよね。国境のむこうには別の文学があるし、国境の内側にも音楽や絵画とか、文学とは別のさまざまなジャンルがある。それらのかかわりを研究しようというのが比較文学です。人文学部 比較言語文化コース 教授 比較文学って聞いたことありますか。聞き慣れない言葉でしょう。1968年に千葉県で生まれ、東京都中野区で青春を過ごす。早稲田大学第一文学部卒業。1995年から8年間のパリ滞在を経て、2006年10月、信州大学人文学部に着任。パリ第四大学文学博士。著書に『La Réception de Rimbaud au Japon.』(1907–1956)、『Atelier National de Reproduction des Thèses.』、訳書にエマニュエル・ボーヴ「ぼくのともだち」「きみのいもうと」など。PROFESSORS 2│人文学部研究室教員 もともとはフランス文学を勉強していたんです。そしてパリに留学した。振り返るとね、ルーマニア人やアルジェリア人や、いろんな連中とパリでつき合うんですよ。それが当たり前の風景ね。そこに自分もいた。そこからフランスの文学を考えるとき、「外部」を抜きにすることは出来なくなっていたんです。だから自然と比較文学に近づいていった。僕はフランス文化とほかの文化とのかかわりが気になったんです。外部とのかかわりにこそ、僕は間違いなく興味を持っていた。インタビュアー:松山剛士・丘本菜の香(3年/インタビュー当時)──たとえば日本の作家と海外の作家の作品を、それぞれの国の社会や文化の特徴を意識しながら比較したり、そんな感じですか。──なぜ比較文学研究を始めたのですか。──留学してはっきりと見えたことですね。この人文学部では成り立つんですよ。比較文学はまさしくそう。比較文学は国境を 二重にぼかしていける自由で少人数制。少し矛盾しているけど、澁谷 豊 SHIBUYA, Yutaka

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