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28人文学部 哲学・芸術論コース 教授 始まりは、幼少期のバレエの習い事なんだけど、ダンスに本気で向き合い始めたのは高校時代。フレッド・アステアとかジーン・ケリーとかが出演しているハリウッドのミュージカル映画をたくさん見ていて、振付家やダンサーのこだわりのスタイルや動きからにじみ出てくる個性や、肉体とともに見る者を釘づけにするような強い意志が感じられてぐいぐいと惹かれていったの。PROFESSORS 1│人文学部研究室教員 そうそう、最初はストリートダンス、ジャズダンスをやっていたのだけど、私が大学に入ったころ、世界各国の最先端のダンスがたくさん来日していた時期だったこともあり影響を受けたんだよね。既成のダンスの動きを超えた、訳のわからない身体表現を浴びるように鑑賞しているうちに、最初は「なんだろうこれは?」という疑問ばかりだったのが、その違和感がどこからくるのか考えたり、調べてたりしていくうちに、海外の舞台芸術とその背景である社会や土地の生活文化、政治や信仰、経済にも興味を向けるようになったり、視野がどんどん広がっていった。ダンスがいろいろな知識を広げていく窓になって今に至るかな。インタビュアー:岡 亜衣・石田 愛(大学院生/インタビュー当時)© Hiroyasu Daido舞踊を中心とする身体論・パフォーマンス論の研究。2021年から現職。2011〜14年、インドネシアとの国際共同制作To Belong projectは東京、茅野、神戸、ジャカルタ、ソロ、シンガポールで上演し、第7回日本ダンスフォーラム賞2013受賞。2013〜14年度信州大学文化庁事業の総合プロデュースを担当。2015年ACC個人助成日米芸術交流プログラムグランティスト。2015〜2017年、アジア国際共同制作プロジェクト第2弾Cross Transit projectを松本、東京、プノンペンにて発表。2017年、ソロ作品TranSensesをニューヨーク、モントリオールにて発表。研究活動website www.akikokitamura.com──先生がダンスの道に進んだきっかけはなんですか?──ミュージカルが入り口だったんですね?! 先生のダンスはちょっと方向性が違う気がしますが……身体と身体のコミュニケーションから創られるダンス伝えることの難しさから自分を学んでほしい芸術表現は人間の精神や 問題意識を反映するもの北村明子 KITAMURA, Akiko

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