農学部研究紹介(2022-2023)
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ドローンレーザー樹冠自動抽出とラベリング森の基本情報:何処にどんな木がどれだけあるか?1本ごとに樹種の本数、資源、混み具合がわかります森林官の夢の実現:ドローンレーザーによる精密計測笹の濃い山岳地や危険個所において、森林調査をせずに、鳥のように森林を上空から見て、精密な樹冠、立木位置、樹高、材積を自動抽出することで、安全かつ短時間に資源内容を正確に把握します(樹冠カラーリング小野裕助教信州大学大学院、名古屋大学大学院を経て1990年より信州大学農学部。森林の水源涵養機能に大きく影響する森林土壌の働きについて研究を行っている。現在、荒廃した土壌の回復過程について研究中。試験流域に流量観測施設を設けて、流量を長期的に観測している(信州大学手良沢山演習林)単粒構造の土壌に比べ団粒構造の森林土壌では孔隙(隙間)が多く水が浸み込みやすい治山学研究室森林計測・計画学研究室日本の林業に夢を与えるイノベ―ションを目指して、森林・林業の現場である森林管理署、県、市町村、森林組合と航空測量会社のみなさんと産官学の技術連携による技術開発を進めています。研究成果を現場へフィードバックすることで感謝され、技術が浸透します。空から森林の様子を広範囲で科学的な目でセンシングすることで、森林の資源情報を短時間に精密につかむことができます。この基本情報をもとに間伐や収穫木の計画と予想、植栽木の成長と変化を分析し、森をどうしたらよいか、計画します。加藤正人教授北海道立林業試験場資源解析科長を経て、2002年より信州大学農学部。ドローン、航空機、人工衛星などのリモートセンシング(遠隔探査)技術を森林管理に応用する研究開発を進めています。独自の技術を持つことで、森を見る視野が広がり、就職にも強い武器となります。卒業後は林野庁と都道府県の森林管理者、航空測量企業やコンサルタント技術者として活躍しています。研究から広がる未来水は私たち人間の生命維持に不可欠なものであり、毎日の生活にも欠かすことができない重要なものです。我が国の場合、水道の水のほとんどは、水源地帯である森林の土壌の中を一旦通過してきたものです。普段意識していないかもしれませんが、私たちの生活は森林と強く結びついているのです。水源涵養機能に大きく影響する森林土壌の働きを明らかにし、土壌保全につながる森林管理方法を開発することは、私たちの生命・生活を守ることを意味します。森林と人間が共生することは、私たちの生命・生活、そして森林を守ることにつながるのです。卒業後の未来像森林の持つ機能を、理論と体験の両面からとらえることによって、自然の重要性や、自然現象を貫く原理や法則を理解し、突発的に起こる事象への適応力が身につくでしょう。卒業後は国家や都道府県等の公務員、環境調査会社等で主体的に活躍できる人材となるでしょう。研究から広がる未来卒業後の未来像治山学研究室では、森林の水源涵養機能(緑のダム機能)や、表面侵食・崩壊などの山地災害に関する研究を行っています。森林の水源涵養機能については、大学演習林等に試験地を設け、気象・土壌水分・河川流量などの観測を行い、長期的にデータを取得しています。とくに、「森林の水源涵養機能の本質」とされている森林土壌の働き(保水性、浸透・透水性)について、より詳しい研究を行っています。土壌保全を通して、森林の水源涵養機能を高めるための森林管理方法の開発を目指しています。加藤研究室では、日本、世界の森林管理に貢献できるように海外の研究者らと最先端の森林レーザ計測技術の共同開発を行っています。精密な3D情報を自動的に取得できるレーザ計測は森林・林業分野に極めて有効な技術であり、多様な分野で利用できます。ドローン、航空機、人工衛星などの空からの計測技術で、広域の森林内にある樹木の立木位置、精密な樹冠情報を1本ごとに自動抽出し、市町村界で集計して、森林の樹種別本数、材積とバイオマスを提供します。森林・環境共生学コース森林・環境共生学コース森林の緑のダム機能を明らかにし森林と水資源の保全を目指すー治山学ー世界に向けてオリジナルの森林計測技術で森林を広範囲かつ精密に半自動で解析する29

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