農学部研究紹介(2022-2023)
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)自然菜園方式による自給野菜生産と品質の調査を実施(左)薬用果実(カリンなど)の有用成分を活かした加工も研究(右)各品目に特徴的な機能性成分の調査とともに、おいしさなどの品質にかかわる成分の貯蔵・加工に伴う変化を追究している農学部近くの野良猫とアワの「猫足」の穂ヒエの根の蛍光顕微鏡画像青果物機能学研究室濵渦康範教授大阪府立大学大学院農学研究科博士後期課程修了、1996年より信州大学農学部勤務。専門は園芸食品利用学。青果品質保全学、食料機能解析学などを担当。抗酸化成分の変動を主に研究。作物学研究室松浦朝奈准教授大阪市出身、信州大学農学部園芸農学科卒業.乾燥地研究に興味を持ち,鳥取大学大学院で博士(農学)を取得.2021年12月より現職.作物学,作物生産生理学,作物生理生態学研究から広がる未来果物・野菜は人にとって最も身近な生き物かつ食品であるといえます。彼らの生物的特徴や食品機能の特徴をよく知ることは、これからの私たちの健康的食生活を考える上で極めて重要です。現代社会は、人の健康に有益な食品開発と同時に、生物多様性保全などの環境共生が重要な課題となっています。サプリメントとは異なり、食卓を彩る機能もある果物・野菜を彼らの能力を活かした形で栽培・利用する研究は、人と環境にやさしい持続的社会の構築に寄与できるでしょう。卒業後の未来像卒業生は、果物・野菜を扱う流通業や、ジャム・ジュースなどを扱う青果物加工業をはじめ、その他の食品製造業に多数就職しています。また研究者派遣の業界に入り、企業の研究チームに参画して活躍している人もいます。研究から広がる未来卒業後の未来像「学びたい」「成長したい」という気持ちを大切にし、落ち着いてじっくり研究ができる環境づくりに取り組み、「本当の仲間づくり」をサポートしています.専門知識や技術を持ち、与えられた課題を克服でき、どのような職種でも信頼される人として活躍できる人材育成を目指しています。果物や野菜は、収穫された後も生き続けています。どのように取り扱うかによって、生命活動が変わり、栄養価や有用成分も変化します。濵渦研究室では、地域の青果物(特にカリンやマルメロなど)を材料に、どのような有用成分を含むか、どのように保存や加工をすればその特徴や有用成分を活かせるかを研究しています。また、野菜は自家菜園で栽培・収穫・利用することが最高の品質を味わえる究極の贅沢です。安全・安心と環境共生を実現できる自然農法を取り入れた自給菜園でいかに品質のよい生産物ができるか、についても研究が始まっています。砂漠化や温暖化の影響を受ける地域、耕作放棄地の多い中山間地域を対象に、スーパーフードとして知られる、アワ、キビ、ヒエなど雑穀の生産性の向上を研究しています.農学研究は,人類と地球の未来を対象にできる,深くて広い,興味の尽きない分野です.信州の大自然に囲まれて,日本の農業,世界の農業,そして地球の未来をとことん,考えてみませんか?これから地球に住み続けられるかどうかは,私たちが何を食べ,どのような生活をするか,どのような農業をするかにかかっています.地球の資源を使い尽くさず,環境を悪化させずに食料生産を続けるための,新たな「メタ知識(これまで誰も見たことのない知を生み出す知)」を身につけることを目標としています.育てて食べよう世界の雑穀!植物資源科学コース植物資源科学コース果物・野菜を知り、活かす。信州の大自然に囲まれて,地球環境の保全と食料増産に挑む品質と有効利用の科学24

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