繊維学部研究紹介
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教員紹介マクナミー究室では、「界面・コロイド化学」をキーワードとして、洗剤・牛乳のような身の回りにごくありふれたものから、ナノテク・バイオにわたる幅広い分野の研究を行っています。ナノテク研究では、空気-液体界面に粒子が一層並ぶ性質を利用して、磁気・半導体デバイスのモデル系となる粒子膜を基板上に作製しています。粒子種、構造、配列、配向等を制御することにより、安価かつ高性能なデバイスの作製を目指します。バイオ研究では、1)関節部分の摩擦を軽減する潤滑膜の創製、および2)モデル系での実験による糖尿病などの病気の原因解明、を行っています。マクナミー研究室では、界面化学の観点から、ナノテク・バイオ分野の研究を行っています。具体的なデバイスを作製しているわけではありませんが、モデル系での実験を通じて、その指導原理となる基本方針の確立を目指しています。現在の社会人に求められるのは、自ら考え、自ら行動して、自ら解決する能力を身につけることだと思います。当研究室では、学生が主体的に研究を行うことにより、その能力を身につけるように指導を行っています。マクナミーキャシー教授卒業大学:B.Sc. (hons), B.A.: University of Queensland(オーストラリア)D.Sc.: 京都大学国際共同研究:マックスプランク高分子科学研究所(ドイツ)研究分野:コロイド・界面化学基板に累積された粒子の単分子膜生体組織モデル系(脂質膜、DPPC)への生理活性分子のバインディングと蛍光顕微鏡像粒子固体研究から広がる未来卒業後の未来像化学・材料学科界面・コロイド化学:洗剤・牛乳からナノテク・バイオまで教員紹介村上研究室は、無機ナノファイバや化粧品用紫外線吸収剤や白金ナノワイヤ燃料電池触媒などの材料を開発し、世の中に提供してきました。多様な産学連携経験からのアイデアと、オリジナルな触媒技術に特徴があります。現在は、次のようなテーマに力をいれています。1.水の利用水を水蒸気に、水蒸気を水に、できるだけエネルギーを使わずに変換するシステムを開発しています。企業の望むことをすれば実用化するように思われていますが、実際にはうまくいきません。新しい市場が広がらないと、研究成果が世の中で使われません。誰も考えなかった新しいビジョンを提案することで、はじめて大きな研究に発展します。新しいビジョンを提案できる研究者に育ってもらいたいと思っています。研究室で鍛えられたことを活かして材料開発で活躍している先輩が多いです。大手化学メーカーに就職し、新しい材料を開発して、社長賞を受賞した人もいます。研究開発は予定通りにいかないことが多いので、シンプルな考え方とたくましさを身に着けることで、どこでも通用する研究者に育ちます。村上泰教授1993年に繊維学部に着任、2007年から現職。2014年から、京都スーパークラスター長野サテライト研究統括を務めるなど、先進的な材料開発を行っている。研究分野は材料化学。研究から広がる未来卒業後の未来像光触媒などに用いられる酸化チタンナノファイバー写真サイズ高さ4.35cm×幅3.6cm配置位置横15.3cm、縦2.85cm高活性で寿命の長い白金/シリカ燃料電池触媒化学・材料学科先進的利用を目指した材料の開発水の利用・熱の制御・人肌の触感2.熱の制御パワーエレクトロニクスの発展に欠かせない耐熱絶縁材料の開発に取り組んでいます。熱伝導性のよい柔軟な綿、耐熱性の高いゴム、塗布する形の難燃剤などを開発しました。また熱を電気に変えるシステムを日経BPのリアル開発会議の中で開発しています。3.人肌の触感人肌の触感のシリコーンゴムを合成しています。これからは癒しの触感が材料に求められると思います。35

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