繊維学部研究紹介
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学科名等はこちらで入力いたします長い年月をかけ洗練された昆虫と鳥の飛行機能、そのメカニズム、流れを操る技術、についてコンピューター・シミュレーションを駆使して理解することにより、それらをベースとした生物飛行ロボットと流れを操る技術の開発に取り組んでいます。特に、生物の構造や機能について機械工学的な視点から議論する生物機械工学のアプローチに基づいて、昆虫や鳥の翼と胴体が有する優れた機能を解析し、そこから得られる知見をロボットの開発と流体機械・輸送機器の性能改善に役立てるため、研究を進めています。鳥や昆虫のように厳しい環境でも墜落せず、飛行しながら情報を収集できる小型の羽ばたき型飛行ロボットをつくることが目標です。それらは地球上だけでなく火星などの惑星探査機としての活用も狙っています。さらに、鳥や昆虫の翼と胴体の構造と機能に未知な部分が残っています。それらを理解することで輸送機器や流体機械の設計革新の実現も目指しています。学生は機械工学と生物学の両分野をまたぐ学問分野である生物機械工学を学ぶことができます。それにより、一つの専門分野だけに捉われない柔軟思考のもとに活動ができるようになり、幅広い分野での企業や研究所での活躍が期待できます。森の忍者と称されるフクロウの飛行メカニズムについてコンピューター・シミュレーションを利用した研究を行っています。羽ばいて空をとぶだけでなく、羽ばたくことで情報のやりとりができる飛行ロボットの開発研究を行っています。青野光准教授東京理科大学工学部助教を経て、2020年から現職。主な研究分野は生物機械工学、流体工学、生物音響など。研究室ではワークライフインテグレーションを意識し、チームで研究目的を実現したい。機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像生物に負けない機能の飛行ロボと生物と生体の流れを操る技術をつくる!25教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像機械・ロボット学科バイオエンジニアリングコース細胞の状態を“測り”生体に与える影響を“推し量る”柔道、サッカー、ラグビーなどのコンタクトスポーツにおいて脳震盪を繰り返すと記憶力や注意力の低下を引き起こします。頭を何度もぶつけることで、脳は刺激に対して脆弱、敏感になり、損傷閾値が低下します。一般的に頭部を強打すると、急激な加減速により脳組織に慣性力が働き変形します。脳組織の変形は神経細胞間の情報伝達を担う神経軸索に引張応力を与え、損傷や断裂を引き起こします。繰り返し脳震盪における軸索損傷の重症化メカニズムを明らかにするため、脳神経細胞の衝撃負荷実験を通して神経軸索の耐性値を開発しています。論理的思考力、課題解決力、コミュニケーション力などを自律的な研究を通じて養ってもらいたい。また、大学で培った人脈は卒業生にとっても在学生にとっても貴重です。研究生活の中で、同期との繋がり、先輩・後輩との繋がりを強めて欲しい。中楯浩康准教授慶應義塾大学大学院で博士(工学)を取得後、国立循環器病センター研究所生体工学部特任研究員、首都大学東京システムデザイン学部助教を経て、2018年より現職。頭部外傷研究、バイオメカニクス研究に従事。頭部衝突時の脳組織変形を実験的に再現するための細胞引張装置サイズW3cm×H2.65cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm外傷を受けた脳神経細胞や脳毛細血管の状態がどのような挙動を示すかを正確に知る(測る)ことで、CTやMRIなどの画像診断では特定が難しい脳神経損傷をコンピュータシミュレーションで予測する(推し量る)ことが可能になり、新たな診断システムや自動車などの安全基準の確立に繋がります。また、細胞を損傷させるだけではなく、活性化させる刺激を見つけることで、再生医療への応用も期待できます。通常培養では無秩序な方向に伸長する神経軸索(左)培養面の接着性を制御し一方向に伸長させた神経軸索(右)

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