繊維学部研究紹介
20/63

教員紹介河村研究室では、機械をベースとしてメカトロニクス・ロボットに関する研究を進めています。キーワードは「スキル」です。地球上で生活するヒトや生物は、長年の淘汰によってその大きさや機能が最適化されています。また、生活の中で必要なスキルを身につけています。これらをお手本としてロボットを設計し、制御を実現することによってひとにやさしい、環境にも適したロボットの開発をすることができます。生物の持つ隠れたスキルに着目して観察し、機械工学的解析をおこない、スキルの内容/意味を理解して、システムを作り上げていきます。メカトロニクス・ロボットの開発は様々な工学的知識、動作の観察・理解と評価をベースとしてシステムの設計をおこないます。実機の製作、動作の確認・評価を通して要求性能を満たしているか、さらによいしくみが実現できないものか検討を重ねます。使いやすく、高機能なロボットシステムの実現を目指します。この過程で学習法、発想法、考え方、実現方法を経験的に体得します。メカトロニクスは機械とエレクトロニクスと情報制御の総合技術です。研究室ではメカの設計から電気・電子・インタフェース、ソフトウェア技術まで広く学ぶことができます。卒業生は、世の中で今まさに必要とされているメカトロニクス技術者として活躍が期待されています。河村隆教授1992年信州大学繊維学部助手、講師、准教授を経て2019年より現職。1996年イリノイ大学客員研究員。メカトロニクス、知的制御、生物のスキルを学習するロボット、感性ロボティクス、ヒューマンダイナミクスに興味を持っている。人間のチームと対戦できるカーリング投球ロボットの開発氷上の微妙な変化をセンシング、戦略を立てて戦いますロボットによる金属板ハンドリング(左)、人の手と同じ原理のページめくり機(右上)、トンボを手本とした羽ばたきロボット(右下)サイズW3cm×H2.65cm配置位置横0.5cm、縦7.42cm研究から広がる未来卒業後の未来像機械・ロボット学科機能機械学コースメカニズムベースのロボット研究「ひと・生物」のスキルをロボットに教員紹介みなさんは繊維と言われたら何を想像するでしょうか。ほとんどの人は、私たちがいつも身につけている衣服を想像されると思います。金研究室で研究を行っている『ナノファイバー』とは、直径が数十から数百ナノメートルの繊維であり、従来の繊維とは全く異なる新しい性質をもっています。繊維を極限まで細くすることにより、これまで採取することができなかった異物のフィルタリング・浄化作用、電気反応の効率化による燃料電池の性能アップ、医療分野高効率化などが期待されています。このナノファイバーが世界に広がれば、みなさんの生活が豊かになることは間違いないでしょう!研究は実験室で終わってしまっては意味がありません。私たちは、これまで非常に困難とされていたナノファイバーの量産プラントの開発に成功し、ナノの『製品化』を目指して社会に直接貢献する研究を行っています。その結果、各種フィルター、透湿防水性ジャケット、クリーンルーム用ナノワイパー、リチュームイオン電池用分離膜、携帯電話のVENT、マスク、バイオセンサーなどをはじめとした世界初めての様々なナノ製品開発に成功しました。まもなく、みなさんの日常生活中に、このナノファイバー製品が現れることになるでしょう。繊維業界だけでなく、電子関係、医療関係、半導体関係、機械関係など様々な分野でナノ研究者として活躍しています。それだけでなく、自ら起業を目指している学生もいます。未来を創る研究者!GoResearchの生活化!世界が驚くナノ研究者!これがこの研究室の存在する理由です金翼水教授アメリカOAKRIDGE国立研究所研究員、韓国全北大学研究教授等を経て、2018年より現職。主な研究分野は、ナノファイバー、材料設計。世界で初めてナノファイバーの量産化に成功。2011年ナノファイバー業績世界No.1!!!通気性、防水性に優れた透湿紡糸ジャケット世界で初めて開発に成功したパイロット式ナノファイバー量産機(左図)作製したナノファイバー不織布(右図)研究から広がる未来卒業後の未来像小さなゴミも見逃さないクリーンルーム用ナノワイパー機械・ロボット学科機能機械学コース繊維を極限まで細く!『ナノファイバー』で世界を豊かに!19

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る