繊維学部研究紹介
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教員紹介着心地の良い被服を設計するためには、被服と人体の間の物理的な現象を理解することが重要です。しかしながら、着衣時に人体と被服の間に形成される空間は狭小であるため、空間内で起きている現象を観察することは容易ではありません。そこで当研究室ではコンピュータ上に衣服と人体を再現し、人体と衣服の間の力学的・熱的現象を予測・解析する研究(コンピュータシミュレーション)を行っています。シミュレーションは、実際に観察することが困難な現象を可視化できることから、被服・繊維製品の設計や評価に貢献するものと期待されています。人体と被服の間の物理現象をコンピュータ上で再現する方法を研究する一方で、当研究室では物理現象と人間の感性(快適性)の関係についても研究を行っています。人体の被服の間の物理現象と感性の関係が明らかになれば、コンピュータシミュレーションにより被服の快適性(着心地)を予測することも可能になると考えられます。卒業後の進路としては、卒業研究等で培った繊維工学、計算工学、コンピュータプログラミング等の知識・経験を生かし、繊維業界、IT業界への就職が大半を占めています。堀場洋輔准教授信州大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。信州大学繊維学部助教を経て、2015年より現職。主に、感性工学、計算工学、被服生理学に関する研究に従事。研究から広がる未来卒業後の未来像衣服から加わる圧力をシミュレーションにより予測した結果。動作に伴う圧力分布を設計段階で検討することが可能になる体温と人体周辺の気温の分布を予測した結果。PMV(予測平均温冷感)等の指標を組み合わせることにより、被服の温熱快適性を予測することが可能になる先進繊維・感性工学科感性工学コースコンピュータシミュレーションにより被服・繊維製品を解析18

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