繊維学部研究紹介
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12実⽤途を意識した新規⾼分⼦材料の開発とX線による構造解析をしています構造解析は、材料の高機能化・高付加価値化への最大の近道だと思っています。高機能を発現する構造を理解し、その構造を能動的に創り出すことを目的として、日々高度な分析に挑んでいます。高分子材料は産業用用途に応じて必要な特性が異なります。当研究室では多岐にわたる需要に適した物性・特性を発現させるための開発・分析を行いたいと考えています。繊維材料の特性を調べるには分子構造(数nmオーダー)から繊維同士の絡み合い構造(数百µmオーダー)まで広いスケールでの解析技術が必要です。この議論を可能にするためにX線散乱・X線CT技術の両方を駆使し、高分子材料の特性を発現するメカニズムを考察しています。現在において高分子材料はあらゆる分野・デバイスに用いられています。しかし実際に使用される繊維強度は、まだその分子鎖1本の強度の10%にも達しておりません。繊維材料の高強度化・高機能化は車体、人工臓器、光学機器、スポーツ用品等の分野への軽量化や地球環境負荷の低減に大きく貢献できます。高分子材料の産業用途やデバイス内での働きにも注目しながら研究を進めます。卒業生には繊維業界のみならず、化学・工学メーカーに繊維の重要性を伝えられるような人材の育成を目指します。冨澤錬助教2019年に信州大学繊維学部にて博士号取得。その後、2年間積水化学工業株式会社にて電池研究に従事。2021年4月より現職繊維内のフィブリル構造の観察(Ultra-SAXS)接着剤の繊維化(ポリビニルブチラール:PVB)先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース教員紹介研究から広がる未来卒業後の未来像

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