繊維学部研究紹介
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教員紹介新しい繊維製品に対する計測分野への応用研究から広がる未来卒業後の未来像先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース赤外分光やラマン分光に加えTHz分光分析という新たな分析装置を使用して、繊維製品を計測可能な技術開発に挑戦しています。この技術によりセルロース系繊維や獣毛繊維などこれまで困難であった繊維種同士の鑑別が期待されます。また、FBGセンサという高感度な光ファイバー型ひずみセンサを使用して、手首の脈拍のひずみ信号から脈拍数・呼吸数・血圧など複数の生体信号を同時に計測可能なシステム開発を行っています。将来、簡単に取り扱え長時間使用できるようにリストバンド型やシャツ型などでスマートテキスタイルセンサとしての製品開発を目指しています。21世紀は「光の時代」と呼ばれるように、身近には光センサや計測機器があふれています。これを繊維製品へ応用するというテーマで「新しいモノづくりへの取り組み方」を育み、社会で即戦力となる人材育成を目指しています。児山祥平助教信州大学繊維学部を卒業、同大学大学院を修了後、信州大学繊維学部技術部、信州大学国ファイバー工学研究所を経て、2017年より現職。専門分野は計測工学、繊維工学。サイズW7.5cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦2.5cm左: 試作したリストバンド型マルチバイタルサインセンサ、右: FBGセンサの繊維製品への導入(左図赤部の拡大図)「分光分析装置を使用した繊維製品の新しい鑑別方法を開発する研究」で使用するTHz分光分析装置サイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横11cm、縦22.2cmサイズW3.6cm×H4.35cm配置位置横14.9cm、縦22.2cmスマートテキスタイルの評価や開発に向けた新しい計測方法を提案することが研究の目標です。これまで計測できなかった繊維製品の情報を取得する、および新しいスマートテキスタイルを開発することで、より快適な生活を過ごすことができる繊維製品を社会に発信していくことを目指します。11テキスタイルはアパレル用だけではなく、様々な分野で使われています。本研究室は設計や加工処理を行い、新たな機能を付与するテキスタイルの開発に関する研究を取り組んでいます。中空構造を持つ三次元テキスタイルは強化材として母材樹脂と複合されれば、クッション材や耐衝撃材として応用が可能です。また、光触媒を用いたテキスタイルの開発及びそのセルフクリーニング特性についても研究しています。また、糸間の水分移動を検討し、織物の水分移動特性をCADシステムにて予測する基礎的な研究も行っています。繊維材料、製布技術、テクニカルテキスタイルに関する専門知識を習得することだけではなく、能動的な学修を身につけ、さらに、グローバル化の視野とコミュニケーション能力を持つ人材育成を目指しています。朱春紅准教授信州大学大学院を修了後、大王製紙株式会社を経て、2020年10月より現職。専門分野は繊維工学・紡織工学。主な研究分野は新しいテキスタイル開発・評価に関する研究。繊維強化複合材料は飛行機、車などの輸送機器を含む様々な分野で使われています。強化材(テキスタイル)の構造が複合材料の特性に大きく影響しています。製布技術を用いてテクニカルテキスタイルの開発及びその新たな応用に結びつくと考えています。また、糸間水分移動などの基礎研究を行い、テキスタイルCADにおいて機能性の予測に役にたつと思っています。先進繊維・感性工学科先進繊維工学コース研究から広がる未来卒業後の未来像教員紹介製布工学によるテキスタイルの応用開発21201918171615141312111098765432112345678実物図(上:正面;下:側面)構造シミュレータ組織図(一部)例1:中空構造テキスタイル例2:セルフクリーニング可能なテキスタイル裏面20.8020.8520.9020.9521.0021.0521.100153045607590Time/Min.Temperature/℃textile 1textile 2textile 3textile 4standard 1standard 2standard 3温度測定結果熱電対織物例3:熱電対織物(温度センサー技術をテキスタイルへの応用)

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