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15信州大学広報スタッフ会議広報アドバイザー朝日新聞社ソリューション・デザイン部川﨑 紀夫氏信州大学は学外の広報有識者に広報アドバイザーとして、広報活動への助言・指導など、多彩な協力をいただいています。2002年朝日新聞社入社。広告局の外部営業、報道局記者、コンテンツプロデュース部などを経て、2015年中東に留学、2016年メディアビジネス局、2018年よりソリューション・デザイン部。「第7回信州大学見本市〜知の森総合展2021〜」が9月17日に開かれた。昨年はコロナ禍で中止となったが、今年は初めてZoomを使ったオンラインでの開催となった。8月には長野県全域に医療非常事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルスの感染状況が刻一刻と変わりゆく中で、オンライン開催に向けて準備された関係者のみなさんの苦労は計り知れないものだったと思う。イベントの最後にあった不破泰理事のあいさつでも触れられていたが、「なんとか今年は開催したい」という強い思いを随所に感じた。内容はもちろんのこと、全体の構成や仕組みも素晴らしいイベントだった。基調講演では、弊社SDGs Action!編集長の高橋万見子から『SDGs〜大学だからやるべきこと、大学だからできること』というタイトルで話をさせて頂いた。当日、高橋は東京・築地にある朝日新聞社の会議室から参加したとのこと。山登りが趣味で信州愛のある本人は現地に行けず残念そうだったが、オンラインであればこそ、このようなことも可能になる。また、研究シーズのプレゼンテーションも非常に興味深かった。6人の先生のそれぞれに、説明スライドにも、話をしている背景画面にも個性が表れていて、見ていて飽きなかった。サイト上第7回信州大学見本市開催告知の案内に設置された研究シーズのポスター展示パートもとても良かった。1分程度の動画もわかりやすく、詳しく知りたい人にもじっくりと研究内容を読むことができるのも好感が持てた。今回は約300人の参加と、これまで各地で実施してきたリアルの見本市開催より多い人数だったと聞いた。私も自宅から参加したが、作業をしながら聞いたり、別日にアーカイブで見たりと、それぞれの視聴スタイルで参加できるのもオンラインの良さだろう。今後のオンラインイベントの課題として最後に二つ挙げたい。一つ目は冒頭の濱田州博学長(当時)のあいさつでも触れられていたが、「サイバー空間におけるセレンディピティ」をどう醸成していくかだ。リアルなイベントであれば出会い、つながりなどが生まれやすいが、オンラインではまだ難しい面がある。これをどのように乗り越えていくか。最近の流行でもあるアバターを使った仮想空間「メタバース」が良い例だが、一方的な発信だけではなく、ゆるめの相互交流が鍵になるのではないか。技術と発想の転換が求められる。もう一つは数的な検証、分析だ。オンラインであれば、視聴者がどこに関心が高かったのか細かく把握することができる。逆に多く離脱してしまったところはどこか、改善の手がかりも見つけられる。アンケートには現れない視聴行動を追うことができる。手間はかかるのだが、ぜひ今後検証して頂きたい。 ⑬成功した信州大学「オンライン」見本市

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