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162021年7月、全国188の国公私立大学・研究機関等が参加する「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」の設立総会が実施されました。関係省庁の副大臣、参加大学の学長等がオンライン上で一堂に会し、本学からは濱田学長が参加をいたしました。冒頭、事務局代表である総合地球環境研究所の山極壽一所長の開会挨拶で、日本全国の地域で大学等が技術開発、人材開発を先導していくことの重要性が指摘されました。続いて、文部科学省:高橋ひなこ副大臣、経済産業省:江島潔副大臣、環境省:笹川博義副大臣より関係省庁挨拶があり、地域におけるカーボンニュートラルの実現に向けて、知の拠点である大学・研究機関等が力を結集し、自然科学から人文科学までを含めた新たな科学的知見の創出、企業・自治体等との連携による成功モデルの構築、これらを通じた高度な人材の育成等に対する期待が寄せられました。濱田学長からは、信州大学は2001年に国公立大学初となるISO14001の認証を取得したこと、環境に優しい世界の大学ランキング「UI GreenMetric World University Rankings」において2018年から2020年まで3年連続で国内1位に選ばれたこと等が実績として紹介され、これまで多くの地域密着型の研究で実績を残してきた強みを活かして、幹事校である地域ゼロカーボンワーキンググループ(WG)の活動に取り組んでいくことが表明されました。総会では、コアリションのビジョン・ステートメント、各WGのミッションや活動の方向性、ロードマップ等が提案・採択され、今後はこれらを基に活動が進められます。「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」設立総会への参画東京大学、富士フィルム(株)、TOTO㈱、三菱ケミカル㈱、信州大学、明治大学の研究グループは光触媒を使った100㎡規模の水素製造光触媒パネル反応システムの開発と実証実験に成功しました。今回成功した実証実験は水を分解し生成した水素と酸素の混合気体から高純度のソーラー水素を分離・回収するもので、さらに、混合気体を長期に安定して取り扱えることを確認しました。水素社会に不可欠なソーラー水素製造パネルの大規模化や安全な製造過程を実現する事に繋がる成功です。堂免特別特任教授、高田特任教授、久富准教授を含む信州大学の研究チームはチタン酸ストロンチウム光触媒の開発を担当しました。同研究室で開発した太陽光の紫外線を水分解に利用し、量子収率がほぼ100%で水分解する光触媒に、本研究では生産性、高耐久化を重視した表面修飾を施しました。今回の研究成果はNature誌に掲載されました。本研究は人工光合成化学プロセス技術組合との共同によるもので、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発」事業の一環として行われました。先鋭材料研究所の研究チームが開発した光触媒を使った100㎡規模の水素製造光触媒パネル反応システムの開発と実証実験に成功3省庁の副大臣と約180の大学・研究機関等の代表がオンラインで参加信州大学のこれまでの実績とコアリション活動に対する意気込みを述べる濱田学長

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