072021年3月、カシオ計算機(株)は「皮膚科向け医療機器をAI連動で海外へ」と題した報道発表を行いました。見た目だけでは良性か悪性かの判定がとにかく難しかった皮膚がん。専門医でも症例経験や診断能力の習熟が不可欠でした。その領域に、カシオ計算機が長年培ってきたカメラ技術を用いて投入したのが、「ダーモカメラ」と「ダーモスコープ」と呼ばれる皮膚科医専用の最新機器。さらに、信州大学医学部附属病院(以下:信大病院)皮膚科との共同開発によって専用の画像管理ソフトウェアを作成し、ついに良性か悪性かのAI判定にも手が届きそうです。皮膚がんの早期発見・治療にも直結することで患者さんや医療関係者にとっても吉報。信大病院皮膚科の医師とカシオの開発者にこれらの経緯、今後のビジョンなどを語っていただきました。(※1)日本医療研究開発機構(AMED)平成31年(令和元年)度 先進的医療機器・システム等技術開発事業(先進的医療機器・システム等開発プロジェクト)採択「イメージングデータを用いた皮膚がん診断ソリューション開発」(文・柳澤 愛由)皮膚科向け医療機器開発をさらに加速し実現する、AI判定による皮膚がん診断支援LED付きレンズを皮膚に接触させて撮影するCASIOの「ダーモカメラDZ-100」。小型軽量はもちろん、グリップ感などに医療関係者の意見が反映されたインダストリアルデザインや使い勝手が特徴。2019年5月に発売され、これまでに1000台以上が販売されている。「ダーモスコープ」とともに、2020年度グッドデザイン賞を受賞。(画像は通常モード時(臨床撮影時)のLED点灯時の画像)信州大学医学部附属病院皮膚科とカシオ計算機の医工連携イノベーション(※1)
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