この授業で得た知識を思い起こしてもらえたらと考えています。」と講義の趣旨を語りました。入門講義には、全8学部から68名の学生が集まり、そのうち、理系学部が6割、文系学部が4割ほど。後期からは、入門講義の受講生のうち30名程度が本コースに所属し、2年次、3年次と続く段階的なゼミを履修します。「今の日本に足りていないのは、データサイエンティストのような専門家だけでなく、AIの知識を持った経営者やマネジメント層。だからこそ、文系理系を問わず、学生たちが学際的に集まることにも意味があると感じています。」(林特任教授)。今後は、座学だけでなく、グループワークやアイデアコンテストなどを通じ、AIに関わる専門的知識やスキルを高めます。通常のカリキュラムのほか、池上彰氏など多彩な講師を迎えた特別授業も予定しています。AIに関わる正しい知識とスキルを身に付け、さまざまな情報に惑わされることなく、情報を活用できるライフクリエイターの育成を目指します。AIの利活用は理系の知識だけではなく、法律や倫理、ビジネスなど、様々な専門知識が必要になります。全学横断特別教育プログラムは学部横断型が特徴の教育プログラムであることから、「ライフクリエイター人材養成コース」の講義は信州大学先鋭領域融合研究群社会基盤研究所が運営を行っています。各学部に一人は研究所のコーディネータ教員を置き、履修指導や学習指導を行っているのも大きな特徴です。また、運営事務局では受講生や修了生によるライフクリエイターネットワークを構築する予定にしており、企業・行政・医師・弁護士等、社会との接続を強化するなどしてしっかりとした社会基盤をつくり、社会実装に直結する運営を行っていく予定です。2021年度前期からは「ライフクリエイター入門講義」(1年次前期)がスタート。AIの定義や仕組み、法律、倫理に至るまで、AIに関わる基本的な考え方や知識を学ぶ充実した内容となっています。全15回を通して講義を担当したのが、林憲一特任教授。「今、多くの人がAIによって誂えられた心地よい環境に慣れ、依存度が高まりつつあります。しかし本来AIは課題解決策のひとつに過ぎません。やがて学生たちが社会に出て、何か壁にぶつかった時、文理融合、学際型が特徴、信州大学先鋭領域融合研究群社会基盤研究所の教員が専門指導1年次「入門講義」が順調にスタート、コースの狙いと今後の展開は… 全学横断特別教育プログラムは、学生が所属する学部の専門分野を超え文理融合型で学際的に学び、学術に対する深い理解と経験を養う本学独自のプログラムとして2017年度から開講。「ライフクリエイター人材養成コース」(※1)は新たに2021年度から加わった話題の新コースです。現在第三次AIブームと言われる中で、私たちは知らず知らずの間にAIに囲まれて暮らしており、AIによって様々なものが便利になる中で、AIを利活用出来る人材の大幅な不足も叫ばれています。このような時代に情報分析力を高め、問題解決できる能力を養い、AIに振り回されることなく、自ら未来を創造する能力を有する人材を育成します。ライフクリエイター入門講義(1年前期)現在AIの基本的な考え方を医療、法律、倫理、職業など様々な視点から学習します。AIジェネラルスキル基礎ゼミ(1年後期)AI発展の歴史を振り返り、現代AIの重要な技術である深層学習の基礎を学び、それが我々の生活にどのように関わっているのかを学習します。また全学横断チームで身近な課題を題材にアイディアソンを行い理解を深めます。これらの学習を通し、取得者はAI人材と見なされる日本ディープラーニング協会が実施するG検定取得を目指します。(G検定の紹介)一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する検定試験で、「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材」であることを示すもの。2017年に始まった試験で、2020年末までに約35,000人が取得しており、就職や転職のために取得する人も多い。AIジェネラルスキル応用ゼミ(2年前期)課題や問題事例をもとに柔軟に対応する知識やスキルを身に付けます。2021年度開講全学横断特別教育プログラム実践力を持った高度キャリア人材を育成ローカル・イノベーター養成コース(2017~)グローバルコア人材養成コース(2018~)環境マインド実践人材養成コース(2019~)ストラテジー・デザイン人材養成コース(2021~)ライフクリエイター人材養成コース(2021~)AI現代メディア・マーケティング入門ゼミメディアの発信側の考え方や背景にあるマーケティング理論を学ぶことで、TVやSNSで流れる情報を的確に取得して、正確に分析できる、ライフクリエイターにとって必要な能力を身につけます。特別関連授業ライフクリエイター実践ゼミ(3年前期)地域データを収集し、エビデンスをもとにAIによる分析を行いながら、課題の解決方法をビジネスとして提案します。林 憲一 特任教授(左)と丸橋 昌太郎 社会基盤研究所長(右)授業担当者ご紹介特任教授林 憲一信州大学経法学部教授(東京大学先端科学技術研究センター教授・弁護士)玉井克哉特任助教(弁護士)高野双葉助教(刑法とAI)根津洸希助教(刑事法)石田咲子特任教授(弁護士)梶谷 篤特任教授山口真由特任教授(マーケティングアナリスト)原田曜平特任教授(ジャーナリスト)池上 彰特任講師(コミュニケーションディレクター)大月 均社会基盤研究所長(経法学部教授)丸橋昌太郎特別授業2021年4月現在12
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