信大医学部研究紹介2021(日本語)_プレス品質
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41血液内科のダイナミズムを体感しよう血液内科血液内科(講師 中澤英之)(講師 中澤英之)血液・腫瘍内科学血液疾患は、腫瘍性・非腫瘍性に関わらず、その多くが難治性であり、発症機序の解明と治療方法の開発は急務の課題である。例えばアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)は、生存期間中央値が3ヶ月以内と極めて予後が不良な悪性腫瘍である。当科ではこれまで県内の血液内科と連携してANKLに対して同種造血幹細胞移植を進めてきた。近年フィンランド、台湾、韓国との共同研究においてANKLの遺伝学的発症機序の解明に貢献した。また、赤芽球癆や先天性免疫不全症などの非腫瘍性疾患においても、その背景にあるT細胞異常の解析を通じて、その発症機序や治療方法についての検討を続けている。・難治性血液腫瘍に対する同種造血幹細胞移植方法の開発・NK細胞・T細胞腫瘍の病態解析と治療方法の開発・顆粒リンパ球増多症と赤芽球癆の臨床研究および病態解析血液疾患の病因病態学的背景が解明されることが、診断ならびに治療方法の改善につながっていく。目の前の症例を丁寧に観察し、その病因と病態を紐解くことで、病気の見え方ががらりと変わりうる。そのダイナミズムを感じ取りながら、日々の研究と診療に携わることができるのは、血液内科ならではの醍醐味であろう。・海外の研究施設との共同研究等を通じて世界へ情報発信する研究者・臨床医の育成・リサーチマインドを備えた臨床血液専門医の育成主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像日本血液学会関東甲信越地方会を主催顕微鏡カンファレンス風景海外の血液学会での発表

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