信大医学部研究紹介2021(日本語)_プレス品質
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30希少がんに苦しむ人たちの未来のために~新規治療薬・治療体系開発への挑戦~腫瘍 班腫瘍 班(チーフ:助教(特定雇用) 岡本正則)(チーフ:助教(特定雇用) 岡本正則)運動機能学整形外科(骨・軟部)領域のがんは、発生頻度が低く症例数が少ないため“希少がん”と呼ばれています。そのためまだまだ診断法・治療法の開発は遅れており、不幸な結果となってしまう患者さんが数多く存在します。信州大学腫瘍班では、悪性骨腫瘍に対する新規治療薬の開発や抗がん剤を腫瘍に効率的に届ける方法の開発、悪性軟部腫瘍の新規診断基準の開発などの研究をしています。臨床分野においては、骨転移による病的骨折予防のためのCT画像を用いた骨形態評価や悪性軟部腫瘍患者の下肢筋力と術後機能予測などの研究をしています。・悪性骨腫瘍に対する新規薬剤の開発・悪性軟部腫瘍における糖鎖遺伝子発現解析と組織学的悪性度診断基準の確立・溶骨性変化を伴う大腿骨病的骨折患者のCT画像を用いた骨形態評価・悪性軟部腫瘍患者の下肢筋力と術後機能予測整形外科領域のがんにおける研究は、その他の領域のがんと比較して遅れており、研究テーマは豊富です。新たな治療薬の開発や治療体系を確立することで、今もなお、がんで苦しむ患者さんの“未来を創る”手助けができます。整形外科領域のがんを専門とした医師は少ないため、当教室で学ぶことで研究分野・臨床分野のどちらであってもエキスパートになれます。日本国内に留まらず世界で活躍できる医師・研究者を目指せます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像新規治療薬の開発のために日々研究している大学院生CT画像を用いて骨形態解析を行い、骨折リスクを予測ハンドヘルドダイナモメーター等速性筋力測定装置 を用いた筋力測定骨関節疾患の病態を解き明かす!関節リウマチ・骨粗鬆症班関節リウマチ・骨粗鬆症班(チーフ:准教授 中村幸男)(チーフ:准教授 中村幸男)運動機能学関節リウマチや変形性関節症などの骨関節疾患の患者数は非常に多く関節の痛みや変形により、日常生活動作や生活の質が損なわれます。しかしながら、その原因や病態はいまだ明らかになっていません。そのため我々は、骨関節疾患の原因を突き止め、発症メカニズムを解明することにより、確定診断や新しい治療法の開発を目指しています。現在、米国ハーバード大学、マサチューセッツ総合病院をはじめ国内外の多くの施設と共同研究を進めており、様々な疾患アプローチを行いながら多くの臨床試験や治験に取り組んでいます。・変形性関節症の病態解明と治療戦略~本邦3000万人の患者を救う~・骨関節疾患における新規治療薬のデータベース構築と開発、 原因遺伝子および環境因子の同定と機能解明・Wntシグナルを基盤とした骨関節破壊のメカニズム究明と臨床応用・世界一の健康寿命延伸実現に向けたロコモ予防対策疾患の原因と病態の解明は、よりよい診断方法や新しい治療方法の開発に繋がります。その結果、手術を含めて選択できる治療の幅が広がり、様々な症状に悩む患者さんに福音をもたらします。骨代謝領域、骨遺伝学の観点から、長野県各市町村と連携した様々な取り組みによって健康寿命延伸を実現し、その成果を信州から全国に発信しています。最先端の基礎および臨床研究を多数手がけることにより、様々な専門的技術や知識とともに、物事を論理的に考えてプレゼンテーションするスキルが身につきます。臨床診療や基礎医学研究など、その後のいかなる進路にも役立つ能力を得ることができ、さらなる飛躍が期待できます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像関節炎・関節症に対する手術正常足関節骨破壊あり遺伝子加療に伴う骨破壊修復信濃毎日新聞2020年(令和2年)4月27日 月曜日信濃毎日新聞2020年(令和2年)6月1日 月曜日英語で研究発表を行う学生

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