信大医学部研究紹介2021(日本語)_プレス品質
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23次世代の悪性黒色腫治療を目指して!当研究室では、主に“ほくろの癌”である悪性黒色腫の診断方法・病勢の評価方法・新たな治療法について研究しています。悪性黒色腫は、進行してしまうと治療が難しいため、早期の診断と治療が非常に重要です。しかし、ほくろと区別するのが難しいため、早期の診断が難しい場合が多く、早期診断の手助けになる画像を用いた新しい方法や検査をしにくい爪の病変をより簡便に調べる方法などを研究しています。悪性黒色腫に対して免疫checkpoint阻害薬や分子標的薬という新しい薬剤が、他の癌に先駆けて使用することが可能なり、とてもホットな研究対象になっています。免疫checkpoint阻害薬と降圧剤(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬:ARG)を用いた新しい治療法についても研究を行っています。・リキッドバイオプシーを用いた悪性黒色腫患者の病勢評価法の確立・降圧剤(ARB)併用化学療法による悪性黒色腫治療の検討・RGB値を用いた悪性黒色腫の画像診断法の構築・爪甲内メラニン測定による非侵襲的診断法の確立悪性黒色腫は、最新の免疫checkpoint阻害薬でも有効率が20-30%程度で、薬物治療が難しい癌です。当研究室で得られた知見が新しい早期診断の方法や新しい治療法の基礎を確立することによって、将来的に難治性の悪性黒色腫の治療に貢献できると考えています。当研究室に留まり研究を継続することはもちろん、海外・国内の研究施設に留学することもできます。研究内容が臨床に近いため、研究で得られた知識が診療に役立つ場面も多くあります。皮膚科は、女性医師も多く、診療・研究・家庭を両立し、活躍している卒業生も多くいます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像皮膚科学(教授 奥山隆平)    普段の実験室の様子。大学院生も活発に実験を行っています    フローサイトメトリーなどの実験機器も豊富に揃っています  海外からの留学生も活躍しています  実験は一緒に行いながら指導します 上:ホクロ、下:悪性黒色腫 違いがわかりますか?診て 治す画像医学教室では、臨床から生じた疑問の解決と新たな診断・治療法の開発を目的に臨床研究を行っています。主な研究テーマは、画像診断による病変の早期発見・鑑別診断・疾患の病態解明、新たな画像診断法や画像誘導下手術(Interventional Radiology:IVR)、放射線治療法の開発と多彩です。いずれの臨床研究も放射線科として臨床各科との連携のもとで行っています。・画像診断による病変の早期発見・鑑別診断・疾患の病態解明・新たな画像診断法やIVR技術・装置の開発・臓器機能温存と予後の両立が見込まれる新たな放射線治療の開発できるだけ負担の少ない検査により病気を早期発見し、できるだけ負担の少ない治療で機能を損なうこと無く完治を目指す・・・画像医学教室の研究からは患者さんに優しい医療の未来が広がっています。・一般病院において画像診断、IVR、放射線治療といった放射線科医としての日常診療に当たります。・大学においては臨床を行いつつ、専門分野を決めて研究や教育に携わることができます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像画像医学(教授 藤永康成)画像診断で早期発見、複雑な病態を解明するIVRや放射線治療で低侵襲な治療を目指す画像で機能診断に迫る機能温存可能な放射線治療

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