信大医学部研究紹介2021(日本語)_プレス品質
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22多職種連携による質の高い医療の提供長野県の小児精神医療の中核的医療機関として、行政や地域の精神科・小児科をはじめとする医療機関、学校・教育センターなどの教育機関、児童相談所・情緒障害児短期治療施設などの福祉機関と連携し、子どもたちを様々な側面から治療・支援しています。臨床研究、疫学研究、基礎的研究など、多岐にわたる分野の研究をおこなっています。・アンガーマネージメントプログラム開発・母子保健情報を活用した子どもの精神健康問題の早期発見と早期支援-長野県岡谷市における悉皆的コホート研究-・注意欠如・多動症と関連するバイオマーカー研究・自閉スペクトラム症の睡眠に関する研究・神経性やせ症の認知機能改善療法に関する研究・特別児童扶養手当(精神の障害)の認定事務の適正化に向けた調査研究 (厚生労働科学研究費補助金研究事業)発達障害をはじめとする子どもの精神健康問題の早期発見と早期支援の体制づくりを目指した研究をすすめています。研究成果が教育行政施策に反映され、支援体制が整備されることが期待されます。診療部での臨床・研究・後身の指導、県内協力病院勤務、精神保健福祉・児童福祉関係の行政機関や施設勤務などの選択肢があります。研究機関への留学、就職も可能です。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像子どものこころの発達医学(教授 本田秀夫)リサーチミーティングソーシャルスキルトレーニング研究成果の学会発表(ニューヨークにて)日本の未来を担うこどもたちのための明日につながる研究代表的な研究についてご紹介します。◆がんを標的とする人工T細胞受容体(キメラ抗原受容体;CAR)をT細胞に遺伝子導入し、その遺伝子改変T細胞(CAR-T細胞)を体外で大量培養後に患者に投与する治療法(CAR-T療法)を開発しています。CAR-T療法は急性リンパ性白血病・悪性リンパ腫を対象に臨床応用されていますが、当教室では急性骨髄性白血病と小児固形がんに対する新規のCAR-T療法を開発しています。◆生分解性リポソーム(ナノカプセル)を使った、新しいがん遺伝子治療の研究をしています。遺伝子治療は、ウイルスベクターの製造や安全性の確保が課題となっていますが、生分解性リポソームを活用することで、ウイルスを使わずに治療遺伝子を目的の細胞に届けることができます。・CAR-T細胞によるがん免疫療法・生分解性リポソーム(ナノカプセル)によるがん遺伝子治療基礎的な研究を通して、病態解明や治療法の応用により根治的になりうる治療法の開発やこどもの長い将来を見据えたより安全性の高い治療への礎となる研究を行っています。また小児医療の発展に貢献できるエビデンスを蓄積し発信する目的で、多くの臨床研究も各専門グループで行っております。明日につながる研究に全力に取り組んでいます。教室では常に疾患の本質、病態を考えながら研究しており、教科書的な理解から本質をとらえた真の理解する力がつきます。考える力をつけることでその先の臨床医や研究者として大きな飛躍が期待できます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像小児医学(教授 中沢洋三)【CAR-T療法】CAR遺伝子の導入には当教室が開発した非ウイルス遺伝子導入法が用いられています。この方法は低コストで簡単な遺伝子治療を実現可能とするため、国内外から高く評価されています  【がん遺伝子治療】治療遺伝子をがん細胞に運ぶためのドラッグ  デリバリーシステム(ナノカプセル)を産学連携で開発しています

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