2021_信州大学環境報告書
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環境科学は、人間とそれをとりまく自然的、物理的、化学的環境との相互作用を扱い、その関係を持続的に維持するための方法論の体系です。信州大学では、単に理論だけでなく、全学を挙げてエコキャンパスを構築し、その継続的改善という実践を通じて「環境マインドをもつ人材の養成」に力を入れてきました。「環境マインド」とは、人と自然を愛する心の豊かさを志向しつつ、現代社会が直面する環境問題を科学的に理解し、問題解決に向けて行動する精神のことです。・環境エネルギー政策論・環境法入門・再生可能エネルギー概論・環境のためのナノカーボン、 エネルギー材料、水処理・緑と水の保全学・農山村と環境・森林サイエンス・環境と材料科学&生物科学・環境とリスク・環境保全論入門・生物と環境・地球環境の歴史・環境と生活とのかかわり・熱帯雨林と社会・環境社会学入門・環境マインド実践基礎論・Low Energy Building(省エネルギー住宅)・自然環境と文化・ネイチャーライティングのすすめ・環境文学のすすめ・エコ水車の開発と地域バイオマス利用・土壌学ゼミ・環境マネジメント入門ゼミ・環境マインドを現場で体験するゼミ・自然環境行政入門ゼミ・環境マインド実践ゼミⅠ・環境マインド実践ゼミⅡ・生態資源論ゼミ・アジア開発環境論ゼミ・ドイツ環境ゼミ・生物多様性保全ゼミ「環境社会学入門」【ねらい】ほとんどの環境問題は人間の社会的営みとかかわっています。今日にいたるまで、自然破壊や環境汚染によって被害や苦痛を受けてきた人びとは数知れません。また、多くの場合、環境問題の原因は社会的なものであり、問題解決のためには科学技術による対応のみならず社会全体の対応が求められているということができます。本講では、環境社会学の理論的思考や実践的研究方法を学んだ上で、環境問題に対する自分なりの考察や批判ができることを目標とします。【概要】主な論点として、第一に環境問題の加害・被害構造、制度・組織の特性、第二に環境行動・運動の契機とその結果、集団行動の困難・障害、第三に環境の歴史・価値・思想、生業とのかかわり、などについて、世界中で起こっているさまざまな環境問題を例に考えていきます。また、環境社会学は、人間が作り出した環境問題の解決を志向する「行動する社会学」でもあります。受講生には、この講義を通じて、自らの生活実践への示唆についても積極的に学びとってくれることを期待します。「ネイチャーライティングのすすめ」【ねらい】本講義は、本学の教育目標の一つ「環境マインドをもつ人材の育成」を目指すものである。「環境」という対象を文化の側面からとらえることにより、自然科学的な視点だけではなく、自分の「こころの問題」として自然や環境をとらえる豊かな感性としての「環境マインド」を受講学生が持つことが本講義のねらいである。【概要】自然や環境について語る際、自然科学的なデータや社会現象については情報があふれかえっているが、「こころの問題」として、つまり自分との関係で語ることはあまり多くないように思う。本講義で受講学生は、まず、授業で扱う「ネイチャーライティング」という文学ジャンルの作品を主観・客観を織り交ぜながら読む。そして講義で示される観点を踏まえて、作者が自然や環境との間にどのような経験をしたのか、ということを深く考えることにより、自然や環境へ対して自分ならではのアプローチを模索していく。「環境マインド実践基礎論」【ねらい】本授業は、環境分野に関わる幅広い課題の基礎知識を持ち、経済や社会などと相互に連関・複雑化する現状に対して、持続可能性を重視した循環共生型の社会構築に向けた統合的な視点で課題解決に貢献できる人材育成を目的とします。地域特性に応じた捉え方の重要性や、地球規模の環境問題の観点で国際的な課題解決に必要な知識や考え方の基礎を持つことを目指します。また課題発表やグループワークを通じて、幅広い関係者との連携やパートナーシップを重視し、多様な立場や価値観を有する人々と前向きに課題を話し合い、合意形成による主体的な意思決定や人づくりに貢献できる積極性・柔軟性を養います。【概要】本授業では、環境分野の課題の特色、現代の国際的情勢なども踏まえた取組の現状、今後の社会及び生活のあり方において重要な概念である持続可能な発展、循環型社会などの理解を深める内容を学びます。環境関係の実務に携わる行政、民間、関係団体等の方々をゲストスピーカーとして招聘し、「様々な立場での環境の課題への関わり方」、「SDGsを踏まえた今後の取組課題」に関する講義を通じて、環境分野に関する視野を広げ、自発的に考え行動する環境マインド実践に向けた力を養います。後半では、受講者がそれぞれ自分にとっての「環境分野との関わり方」について発表演習を行い、グループでの作業や質疑応答も通じて理解を深めますので、出席者の発言や参加を重視します。これらを踏まえて、最終レポートを各人ごとに作成します。環境科学授業科目授業のねらい・概要信州大学の全ての学生は、共通教育科目の教養系「環境科学」から、必ず1科目(2単位)以上を履修します。環境科学は、次の内容から構成されています。環境マインドの醸成2-1 環境教育02環境への取り組み23

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