2021_信州大学環境報告書
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 環境報告書の学長メッセージに関しては、2016年版から2020年版まで5回執筆しました。その中で触れた事項について、今回2021年版のメッセージでは、まとめて記したいと思います。 まず信州大学における大学運営の基本方針です。基本方針に定める6つのキーワードのうち、Greenを最も重視しています。その理由は、自然環境豊かな信州の地にキャンパスがあり、国公立大学で初めてISO14001の認証を取得するなど、教職員と学生が一体となって環境を意識する活動を行ってきたからです。本報告書では、「地球温暖化防止実行計画(第3期)」の策定について書かれていますが、世界全体がカーボンニュートラルの実現を目指しています。引き続き環境を意識した活動を行い、カーボンニュートラルの達成に寄与できればと考えています。 次に「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)です。SDGsで設定された17個の目標のうち、少なくとも13個が直接的に環境に関連しており、残り4個も間接的ではあるものの、環境に関連しています。信州大学では、SDGsに対する意識を持ち、環境マインドを実践する人材を育成するため、2019年度に全学横断特別教育プログラムの中に「環境マインド実践人材養成コース」を設置しました。様々な専門分野で学ぶ学生がSDGsを意識し、環境マインドを持って社会で活躍することを期待しています。また、「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development)も持続可能な社会を創造していくためには重要であり、教育学部が核となって推進しています。「環境の教育」がESDにおいても重要な視点の一つですが、SDGsの推進にもつながっていくと考えられています。 研究に関しては、「世界中の人々がいつでも十分な水を手に入れられる社会」の構築を目指して信州大学で進められているセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラム:アクア・イノベーション拠点の取組が、SDGsの6番目の目標「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」に関連しています。その取組のうち、本報告書では、タンザニアにおけるフッ素汚染水の浄化について書かれており、安全な飲料水を人々に行き渡らせることを目指しています。 この様に、信州大学では、教育・研究・社会連携において、環境やサステナビリティを意識した取組を活発に行っており、環境に優しい世界の大学ランキング「UI GreenMetric World University Rankings」で2018年から3年連続で国内1位の評価を得ています。さらに、これまでの積み重ねを踏まえて、「信州大学 環境マネジメント入門」(プラルト、2021年)を刊行することができました。本書の刊行にご尽力いただきました編集者、執筆者、出版社の皆様に感謝申し上げます。 今後とも教職員と学生が一体となり、環境を意識した活動を行っていきたいと考えております。皆様のこれまでのご尽力に感謝申し上げますとともに、今後の活動にもご協力くださいますようお願い申し上げます。2021年9月信州大学長 濱田 州博学長メッセージ1

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