統合報告書2021
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ビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財務情報Integrated Report 2021 Shinshu University信州大学では、地域社会の発展に貢献するため、産学官金連携や人材育成を軸とした幅広い取組を行っています。そのひとつ「信州大学見本市」は、2013年度から年1回実施している研究シーズ展です(※)。本学の研究シーズを企業、自治体、一般の方に広くアピールし、連携のきっかけをつくることで研究成果の実用化を促進してきました。2011年度に始まった「信州大学連携コーディネータ研修制度」では、金融や行政などの機関に所属し、研修への参加など一定の条件を満たした者に、本学との連携活動研究シーズと地域のニーズを結ぶ「信州大学連携コーディネータ研修制度」本制度は2011年度に金融機関職員を対象に始まり、2016年度からは自治体職員も対象に加えて実施してきました。委嘱を受けた連携コーディネータは、企業への訪問など日常業務の中で経営や技術上の課題、アイデアなどのニーズを本学へ伝え、連携活動を仲介する役割を担います。金融機関との事業連携や自治体との受託研究にも繋がっています。本事業は、次世代のイノベーターを育てることを目的に世界的に広がっているSTEAM教育を実践するプログラムとして2019年から始まりました。科学技術振興機構(JST)の次世代人材育成事業「ジュニアドクター育成塾」の採択を受け実施しており、プログラミングや科学技術などに関わる基本的な知識・技能を幅広く学ぶとともに、それらを活用した制作や探究に挑戦する内容となっています。運営には教育学部、工学部の教員のほか、企業、教育委員会等が協力しており、北エリアは教育学部、南エリアは南信州・飯田サテライトキャンパスを置く「エス・バード」を拠点としています。第1段階40名、そこから選抜された第2段階10名の受講生が、月1回の対面講座、月2回のオンライン講座で学んでいます。Googleのコンテストで優秀賞、日本産業技術教育学会のコンテストで文部科学大臣賞や特許庁長官賞を受賞した受講生もおり、成果を上げています。の窓口となる連携コーディネータを委嘱。この制度により、より多くの企業ニーズや、一企業を超えた地域課題を知ることができるようになりました。また、本研修は、地域課題に積極的に取り組む人材の育成にもつながっています。2019年からは、小学校5年生から中学校3年生までを対象に「信州大学ジュニアドクター育成塾」と名付けたSTEAM教育も展開、次世代のイノベーターを育成しています。今後、これらを本学のユニバーシティエンゲージメント活動として継続することで、戦略的な地域連携を実現しつつ、総合大学ならではの多分野にわたる教育研究を基礎にした地域社会への貢献を目指します。次世代イノベーター育成を目指す「信州大学ジュニアドクター育成塾」2021年度の信州大学見本市は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、オンラインでの開催となりました。基調講演に、朝日新聞SDGs ACTION!編集長である高橋万見子氏を迎え、大学だからこそできるSDGsの取組について講演していただきました。さらに、各学部の教員が、注目研究シーズとして詳細な研究内容をオンライン上で紹介。動画による、ポスター発表とは違う情報豊かな表現が可能になりました。本イベントは、毎年、特別講演等で特徴あるプログラムを実施しており、地域の方にも多く来場いただいています(2019年度実績319名)。開催の都度、地域の新聞社、メディアに取材されており、地域での本イベントの認知度も着実に向上しています。今回はオンライン開催によるメリットを生かし、県外の方にも多く参加いただきました。(※)2020年度は新型コロナウイルスの感染症拡大を受け中止PROGRAMTOPICS 1TOPICS 219多分野にわたる教育研究を基礎に地域社会との連携活動を展開「信州大学見本市2021」はオンラインで開催活動実績社会連携地域貢献を推進するユニバーシティエンゲージメント活動次世代のイノベーター育成から地元企業との連携まで、幅広く地域社会の発展に貢献します。02

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