統合報告書2021
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Integrated Report 2021 Shinshu University現状の森林資源の測定は人手によるサンプル調査で行っており、急峻な山岳地形での作業は危険も多く、調査コストが過大な割に得られる情報の精度が低いのが課題でした。そこで、先端的なドローンレーザー計測技術で森林での作業を減らし、3D化により、単木ごとの位置、樹種、樹冠直径、樹高などを高精度に自動で算定する技術を開発。調査地全体の精密な森林資源情報を、森林管理署、自治体、森林組合などで共有し、間伐や森林施業に活用する新しい仕組みをコンソーシアムとして推進しています。ドローン計測技術は林内での作業を削減、森林の3D化により、単木ごとの位置、樹種、樹冠直径、樹高などを高精度に半自動で算定。空からのドローン空撮と地上からのバックパック計測データを統合し、森林にあるすべての樹木情報を100%漏れなく自動計測、3D空間に見える化します。間伐木の位置情報は伐採作業員が持つタブレット端末や自動検尺機能付きIoTハーベスタに送られ、間伐木へのナビゲーション、伐採情報がなどがネットで情報共有できます。Cessna対象面積が市町村の数千ha以上の広域の森林が対象。地形、森林資源量等の基盤情報から広域ゾーニングと伐採対象地の素材生産量を推定。Backpackセスナやドローンでは測定できない樹木の価値(製材や合板、チップ材)を区分し、林業事業体に曲がり情報と品等区分を提供します。レーザーセンシング(LS)情報とICT・AIをかけ合わせ樹木の種類・本数、単木樹冠抽出やラベリングも自動LS情報は森林管理の世界標準の革新的技術で、安全・短時間・科学的に3次元での精密な森林資源情報と地形を把握できます。セスナから広域の森林資源の地形、蓄積量等の基盤情報をつかみ、森林施業のゾーニングを行い、ドローンによる詳細な樹木の3D化、森林調査の省略、間伐木の確認、森林被害の情報把握に活用します。また、バックパック(歩行による計測)から幹曲がりなどの品質情報を取得し、素材生産価格を算定します。流域単位の森林から個別の森林までのLS情報が体系化されることで、精密な森林情報が提供されます。レーザー計測の原理地形モデル DTM表層モデル DSM樹冠モデル DCHM多機能な各種解析、特許も多数日本林業の成長産業化に向けて詳細な樹木情報の把握、間伐木や伐採木の確認、マツ枯れ被害解析などのスマート精密林業で数多くの特許を取得。LSによる広葉樹の樹種特定技術の開発や、AIによる苗木の自動抽出は国内初となる注目すべき技術です。広葉樹の樹種特定技術16Shinshu UniversityIntegrated Report 2021SYSTEMDrone3D data自治体などの林業現場から課題やニーズを聞き取り、産業構造を変えるほどの画期的な省力化技術を開発高精度の森林資源情報と地上調査など資源管理4次元情報を一元管理情報分析で得られた間伐データをもとにIotハ−ベスタによる情報共有型林業が実現高精度の森林資源情報と地上調査など資源管理4次元情報を一元管理ICT・AI技術を活用したスマート精密林業が日本の林業を変える。日本における林業の成長産業化を実現するため、ICTスマート精密林業オープン・コンソーシアムを設立、強力な産学官連携体制で社会実装を加速しています。

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