(差替版)A4_総合人間科学系研究紹介_2021x4 (7)
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全学教育機構で担当している「環境社会学入門」では、環境問題や環境運動、環境文化に関する研究領域から解説します。「熱帯雨林と社会」では、熱帯産資源の採取に伴う問題を考えます。他に「生態資源論ゼミ」や「アジア開発環境論ゼミ」、「環境マインド実践基礎論」、「環境マインド実践ゼミⅠ・Ⅱ」なども開講しています。専門は環境社会学・環境人類学。特に、地域の人びとの資源利用の変化を、その地域をとりまくグローバルな政治経済の関係のなかで追究するポリティカル・エコロジー論。マレーシア・サラワク州の狩猟採集民、プナン人のもとに通い、彼らの森林資源利用について調べています。フィールドワーク(現地調査)を通じて異文化について学ぶ文化人類学に関する科目や、人と自然との関わり、アフリカの文化について学ぶ科目を担当しています。専門は文化人類学、映像人類学。中部アフリカ、カメルーン共和国の熱帯雨林に暮らす狩猟採集民の生活文化を中心に、フィールドワークにもとづいて、自然と共に生きる人々の暮らしを研究しています。また、その営みを映像によって記録し、映像を活用した研究も行っています。どんどんチャレンジしてください。きる人になるでしょう。衛星画像や統計資料を使って「鳥の目」で眺望する作業は重要です。しかし、それだけでは現場で苦しみもがいている人びとの顔は見えてきません。地面を這いながらフィールドを見る「虫の目」が必要になります。問題の現場と机上を往復しながら見えてくるものを大事にしたいです。研究にとどまらず、学生のうちは何事も失敗を恐れず、ソニー・マレーシアは「卒業証書をもって熱帯雨林へ」とリクルート広告で呼びかけました。私からいわせれば「卒業までに熱帯雨林へ」です。これまで関わった学生は、研究者や公務員、環境関連企業などで活躍しています。自分の生き方が正しいと思っている人、あるいは間違っていると思う人は、文化人類学を学ぶべきです。世界中の様々な生き方を具体的に学びながら、自分や身近な人々の生活について考えなければ、望ましい未来は実現しません。激変する世界を生き抜くためには、人類の性質を見きわめながら、人と自然、人と人、人とモノとの関係を調整してゆく必要があります。人類学的な研究は、その基礎となるものです。自分に対して暗い人に明るい未来はありません。他人に照らして自分を明らかにする。異なる文化に学び、自分の(囚われている)文化について考えること。きちんと学べば、今、自分がどうするべきか考え行動で金沢 謙太郎 教授上田高校、東京外国語大学ヒンディー語学科、筑波大学大学院環境科学研究科修士課程、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程。博士(学術)。神戸女学院大学准教授を経て、2008年秋着任。分藤 大翼 准教授立命館大学 産業社会学部卒業。京都大学大学院アジア�アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻修了(博士�地域研究)。2009年に全学教育機構に着任。3「環境マインド実践ゼミⅡ」では、ボルネオ島奥地の集落で寝泊まりし、環境マインドを五感で体験します(2015年3月、サラワク州のロング�ウィン村にて)。写真左はゼミⅡの農山村調査法の演習(2016年3月、ロング�クパン村)。写真右はゼミⅡの焼畑農耕の収穫体験(2017年3月、ロング�イマン村)。アフリカ大陸の飾りを付けたネックレス。この少女の暮らしと私の暮らしはどのようにつながっているのか。森の小道を走る少年少女。現地社会の一員になるための儀式を受けているところ。環境マインド教育部門人文・社会科学教育部門「鳥の目」と「虫の目」:環境問題への複眼的アプローチ人類の過去・現在・未来:共生の可能性を探る映像人類学

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