(差替版)A4_総合人間科学系研究紹介_2021x4 (7)
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攻撃サイトランダムなホスト名を大量に問い合わせキャッシュにヒットしないため、全て権威サーバーに問い合わせ攻撃対象サイト(example.ac.jpのDNS権威サーバー)スマートフォンの位置情報を使って人の流れを調べたり、気象や交通機関の運行状況などをコンピュータに取り込めるようになり、その応用は広がりつつあります。AIやビッグデータ分析で解析し、混雑緩和や安全確保などを行おうとするサイバー・フィジカルシステムが注目されています。サイバー・フィジカルシステムでは、コンピュータの世界でやっていることと人間の世界でやっていることの連携が重要になります。これを、コンピュータ科学の研究テーマである“トランザクション”の概念を拡張して適用することで、複雑な連携を確実に実行するしくみを実現しようとしています。総合情報センターでは、長野県に点在する信州大学全体の情報システムやネットワークの運用をしています。信州大学はSINET(国立情報学研究所)を経由してインターネットに接続しておりこれも管理しています。キャンパス間のネットワークの総延長は400kmにもなり、これは県内でも有数のネットワークです。その中で「セキュリティ」に関する研究を行っています。最近ではインターネットの活用が大きく進み、大学においてもインターネットやインターネット上のサービスが円滑に利用できないと大学生活や普段の生活に支障をきたすようになりました。その大切なインターネット上のサービスやネットワークを守る研究を行っています。AIやオンラインショッピングなどの華やかな世界を、理論的裏付けのある電力技術が支えています。これと同じように、コンピュータ・ネットワークの世界で理論的に裏付けのある基幹技術がぜひとも必要です。大学での研究をもとに、社会に役立つ新たな基幹技術をつぎつぎと開拓する人を育てます。ネットワークセキュリティ研究を通してネットワークやサービスサーバの知見を得られると、インターネットを通じた安全性とは何かを見極めることができるようになります。同時に、セキュリティの実現には解析する能力が欠かせません。ネットワークやサービスに対する深い知見、そして、様々なツールや手法を使いデータを解析処理することで、セキュリティの範囲にとどまらず幅広く活用可能な知識と技能を習得することができます。ここで学んだ知見を基に更に深く広くインターネットを利活用できるようになります。通貨やパスポートなどの制度により、私たちは安心して買い物や旅行ができます。これと同じように、システムが出した結果が社会で正式に認められたり、人間が要求したことをシステムで確実に実行されれば、旅行の手配をコンピュータに任せたり、オンラインショッピングで購入したチケットを疑われることなく使うことができます。これによって、人間とICT技術の共存の道を拓こうとしています。ネットワークセキュリティはインターネット・ネットワーク・サービスサーバに関する知識や技能が必要となります。そのため、対象はセキュリティに止まりません。セキュリティから学んだ知識を生かして新たなインターネットサービスを構築するなど幅広く技能を生かしてください。原嶋 秀次 教授豊橋技術科学大学大学院工学研究科修了。株式会社東芝に入社。自律分散データベースの研究�開発に従事。電気通信大学大学院博士課程を修了し博士(工学)取得。2020年信州大学に着任。鈴木 彦文 副センター長准教授信州大学工学部情報工学科卒業、大学院博士前期�後期過程後、長野高専電子情報工学科助手、東京大学大学院新領域創成科学研究科助手、信州大学総合情報センター准教授を経て、2009年より信州大学総合情報センター副センター長准教授。15コンピュータの世界の仕事と人間の世界で行われている仕事を融合して管理することで、便利で確実な社会システムの構築を目指す管理対象のモデル化や他の方式と比べた時のコスト比較などをおこない、現実的で有用な利用方法を提案長野県全体に広がる信州大学のネットワークを集中管理(5分間隔で情報を取得し更新)インターネットの脅威となる攻撃を再現し解析信州大学を守るセキュリティの要UTM(統合脅威管理)機器Dakuwu2oi289y9h2.example.ac.jpdiodwqhdowjdoiq9.example.ac.jpDNSキャッシュサーバーki1io9202ihdjkbdjd.example.ac.jp総合情報センター総合情報センター総合情報センターコンピュータの世界と人間の世界の融合情報システムとネットワークの運用とセキュリティの実現

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