(差替版)A4_総合人間科学系研究紹介_2021x4 (7)
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ドイツ語や環境文学関連科目を担当しています。そして人間と自然・環境の関係について文学を通して考える「環境文学」という分野に関する研究をしています。自然や環境とは、知識やデータを通して知るだけのものではありません。「自分との関係」で考えて初めて、「自分の問題」として考え、感じられるようになります。この観点を出発点として、自然や環境に関する文学体験を通して、「自分にとって自然・環境とは何か」ということを「現実感覚」をもってとらえるにはどうしたらよいか、ということについて研究しています。フランス語やフランス語圏の文化、フランス文学を主に担当しています。18世紀ヨーロッパの文学と思想について研究をしています。ヨーロッパ中世末から近代にかけて、ものごとの捉え方は大きく変わりました。そして、近代の初めに生まれた様々な思想の中には、今日にまで影響を与えているものが多くあります。現代を考える上でそれらの発生の探求は欠かすことができません。それは、今日において当然のように語られている考え方や見方を、もう一度問い直すことでもあります。の思考・行動の土台となるものを問い直します。文学(読書体験)を通して、人は対象を間接的に経験します。それは直接的な経験あるいは現実感覚を持つことへのきっかけとなり、対象を「現実的で身近なもの」としてとらえることができるようになります。これは自然や環境だけでなく異文化でも同じことです。とにかく「自分」との関係でものごとをとらえ、同時に自分をふりかえることができるような教育研究をしています。どのような分野に進もうとも、自分が取り組むことに対して「現実感覚」を持ち、取り組むことができるような人生をおくれるようになってもらいたいです。近代初期の様々な文章の読解を通じて、今日の私たちこれはさらに、言語表現のあり方についても考える機会となるでしょう。言葉は、コミュニケーションのためのツールというだけではなく、その他にも様々な役割を持っています。そして、語られる背景となる文化と密接に繋がっています。どのような道に進むにしても、既存の考え方を絶対視せず、その発生と、根幹をなす要素を振り返ってみるという姿勢を身に付けて欲しいと思います。松岡 幸司 教授信州大学農学部林学科�人文学部卒業、同人文科学研究科修士課程修了後、名古屋大学大学院にて学位取得(博士�文学)。立教大学講師を経て、2006年全学教育機構に着任。鈴木 球子 講師名古屋大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士前期課程修了、同大学院博士後期課程単位取得満期退学、パリ第4大学ソルボンヌ博士課程にて学位取得(Ph.d)。2017年全学教育機構に着任。14ドイツとチェコの国境線上にてエネルギー自給村フェルトハイム「ドイツ環境ゼミ」のドイツ研修にて(ハノーファー市内)「フランス文学ゼミ」授業光景パリ市街(ドイツ)の視察初修外国語教育部門初修外国語教育部門ドイツ・環境・文学:自分との関係で考える世界フランス文学・思想

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